セレン
セレンは、ミネラルの一種で、セレニウムとも呼ばれます。
セレンは、過酸化物質を分解する酵素の成分であることから、細胞のサビつきを防止する作用があります。
セレンは、活性酸素を分解させるグルタチオン、ペルオキシターゼという酵素の必須成分でもあります。
セレンは体内に10mgほどしか存在していませんが、体内で生成した過酸化物質を分解する酵素の重要な成分として、ビタミンEやビタミンCと協調して老化防止やがんを抑制する作用が注目されています。
セレンは、活性酸素を分解させて、細胞の老化を遅らせる働きをしますが、その抗酸化力は、ビタミンEと一緒になると、2倍以上の力を発揮するといわれ、相互に補い合ってがんの発生を抑えたり、免疫機能を高めます。
化学記号 | Se |
セレンの体内分布 | 肝臓、腎臓 |
セレンの生理作用 | 抗酸化作用で細胞の酸化を防ぐ |
摂りすぎによる弊害 | 脱毛、爪の変形、嘔吐、下痢、頭痛、しびれ |
不足による弊害 | 克山病(中国で発見された心筋障害の一種) |
1日の摂取基準 | 成人男性:30~35μg 成人女性:25μg |
セレンの過剰摂取による弊害
通常の食事では、過剰症を起こすことはありません。
セレンは、毒性が比較的強く、錠剤などで過剰にとると中毒を起こします。
脱毛や爪の変形、嘔吐、しびれ、頭痛悪心、吐き気、下痢、食欲不振、頭痛、免疫抑制、高比重リポ蛋白(HDL)減少などが現れます。
セレンの摂取不足による弊害
通常の食事を摂っていれば、欠乏症を起こすことはほとんどありません。
ただし、中国の一地域では、土壌のセレン濃度が低いことが作物に影響し、セレン欠乏によるうっ血性心不全、心筋障害が発生しました。
セレンを多く含む食品
- 魚介類やセレン濃度の高い土地で育った植物などに多く含まれます。
セレンの1日摂取基準
年齢(歳) | 推奨量(μg) ※は目安量 | 上限量(μg) | |
男 | 女 | ||
0~5(月) | ※16 | ※16 | - |
6~11(月) | ※19 | ※19 | - |
1~2(歳) | 9 | 8 | 100/50 |
3~5(歳) | 10 | 10 | 100 |
6~7(歳) | 15 | 15 | 150 |
8~9(歳) | 15 | 15 | 200 |
10~11(歳) | 20 | 20 | 250 |
12~14(歳) | 25 | 25 | 350/300 |
15~17(歳) | 30 | 25 | 400/350 |
18~29(歳) | 30 | 25 | 450/350 |
30~49(歳) | 35 | 25 | 450/350 |
50~69(歳) | 30 | 25 | 450/350 |
70以上(歳) | 30 | 25 | 450/350 |
- 妊婦は+4、授乳婦は+20を付加する。
上限量は、左が男、右が女