ビタミンAの上手な摂り方

動物性食品に多く含まれるビタミンAはどのような調理・食べ方でもよく吸収されますが、緑黄色野菜に多いβ-カロテンは、腸管から吸収率がビタミンAの約3分の1で、さらに脂肪含量や調理法によって吸収率が10~60%と大きく変わってしまうの注意が必要です。

β-カロチンは、脂溶性であるので、野菜は生よりは油脂と一緒に調理して食べると、小腸での吸収率が良くなります。

β-カロテンを多く含むにんじん

ビタミンAを含む食品は、炒め物にしたり、肉や魚と合わせる

ビタミンAを含む食品は、油で炒めたり、脂肪分の多い肉や魚などと合わせて吸収を高めましょう。

サラダなら、オリーブオイルを少量ふりかけて食べるのがおススメです。
ただし、油は高エネルギーなので、使い過ぎには注意しましょう。

ビタミンAの摂取が不足すると

目や肌が乾燥しやすくなる

目や皮膚などの粘膜を健康に保つ働きが低下するため、ドライアイや乾燥肌、肌荒れを起こしやすくなります。
抜け毛や白髪、爪がもろくなるなどの症状も、ビタミンA不足のサインです。

また、光を眩しく感じ過ぎたり、暗い中で目が見えにくくなる夜盲症のリスクが高まります。

ビタミンAをとり過ぎると

頭痛や吐き気、疲労感が出る

副作用として、頭痛や吐き気をもよおしたり、疲労感が出ることもあります。

また、妊娠初期に多量にとると、おなかの赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼす危険性を高めるという報告があります。

サプリメントなどを使うと過剰摂取になりやすいので注意しましょう。
原則として食品からとるように努めましょう。

ビタミンAを多く含む食品

1食当たりの目安量含有量(μgRE・レチノール当量)
豚肝臓(レバー) 50g6,500
鶏肝臓(レバー) 40g5,600
アンコウ・きも 1切れ 50g4,150
銀ムツ 1切れ 100g1,800
ウナギの蒲焼 1串 100g1,500
銀ダラ 1切れ 80g880
野菜モロヘイヤ 1/2袋 50g850
にんじん 中1/4本 50g728
西洋かぼちゃ 120g792
あしたば 葉10枚 80g704


ビタミンAの1日摂取基準

年齢目標量(%エネルギー)上限量(μgRE)
0~5(月)※250※250600
6~11(月)※350※350600
1~2(歳)250250600
3~5(歳)300300750
6~7(歳)4003501000
8~9(歳)4504001250
10~11(歳)5505001550
12~14(歳)7005502220
15~17(歳)7006002550
18~29(歳)7506003000
30~49(歳)7506003000
50~69(歳)7006003000
70以上(歳)6505503000
  • ※は目安量
    妊婦は+70、授乳婦は+420を付加する。


ビタミンAと一緒にとりたい栄養素&とり方

ビタミンA+脂質 ビタミンAの吸収率が高まり、目の疲れを回復させる

ビタミンAは脂溶性なので、脂質と合わせると吸収率がアップします。

目の網膜にあり、光の明暗を感じたり色を識別する「ロドプシン」の生成を助けるため、目の機能が正常に保たれます。

パソコンやテレビの見過ぎによる疲れ目やドライアイなどに効果的です。

  • 脂質の豊富な食品
    肉類、魚介類、バター、植物油など

    肉

ビタミンA+ビタミンE 抗酸化力がアップし、美肌効果が高まる

ビタミンAにもEにも、活性酸素の害から細胞を守る、強い抗酸化作用があります。

合わせてとると、ビタミンEAの働きを活性化させ、相乗効果で抗酸化力が高まり、老化を防いで美肌作りに役立ちます。

また、肌だけでなく髪を健康に保つ作用も期待できます。

  • ビタミンEの豊富な食品
    うなぎ、モロヘイヤ、かぼちゃ、アーモンドなど

    かぼちゃ

ビタミンA+ビタミンC ビタミンCの酸化を防ぎ、免疫力を高める

ビタミンCは、活性酸素の影響などによって酸化すると、免疫力を高める働きが低下します。

ビタミンAビタミンCの酸化を防いで働きを守るため、意識して組み合わせると良いでしょう。

また、ビタミンCは水溶性なので、2~3時間で排泄されてしまうので、毎食とることが大切です。

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