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きのこ
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秋と味覚と言えば、キノコ。
ただ食べるだけでなく、だしや漢方薬にも使われる食材です。
キノコにはタンパク質や糖をはじめ、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維質(β-グルカン)などが多く含まれています。
どれも人の生命維持に欠かせない必須栄養素ばかりです。
低エネルギーのダイエット食としてよく利用されるキノコ類は、糖尿病、がん、肝炎などの生活習慣病の予防と改善にも有用と言われています。
キノコ類の菌食が薬理作用として、糖尿病、高血圧症、腫瘍、アレルギー、など、生活習慣病といった病気に効果を発揮するといわれています。
中でもアガリクスに対する期待は高いものになっています。
私たちが普段きのこと呼んでいるものは、実は一種の生殖器官であり、植物でいう花のようなものです。
菌類が繁殖のためにつくる構造体(子実体という)であり、胞子をつくって拡散させる役割を持っています。
近年キノコは、栽培技術の進展によって、店頭に並ぶ種類や量が増え続けています。
主にシイタケ栽培で行われる、自然界できのこが発生する樹木そのものを使って育てる方法です。
伐採した原木に穴を開け、そこに種菌を植えます。
丸太に菌糸が蔓延したころ、日の当たる環境にかえて、きのこを生えさせます。
野外ではなく、施設内での栽培も行われています。
現在の日本のキノコ栽培の主流です。
おが粉などでできたかたまり状の培地やビンに詰めた培地に栄養分を加え、そこに菌種を植えて育てる方法です。
温度・湿度条件を管理して促成栽培します。
キノコは、世界で6万種以上、日本では5000~6000種が生息しており、そのうち約200種が食用とされています。
シイタケ、エノキタケ、ブナシメジ、マイタケなど、日本で市販されているきのこほとんどは人工栽培されているものです。
その多くが菌床栽培でつくられています。
菌床栽培とは、おが粉(あるいはトウモロコシの芯を砕いたもの)に米ぬかなどの栄養を加えた培地に、菌糸(種菌)を植え、施設内で温度や湿度などの条件を制御し、効率よく育てる栽培方法です。
シイタケでは、丸太に種菌を植え付ける原木栽培が広く行われてきましたが、現在は8割以上が菌床栽培に転換されています。
菌床栽培が始まったのは昭和になってからですが、それ以降、栽培キノコの種類は年々増え、国内生産量も増加しています。
一方、高級キノコであるマツタケは人工栽培が実現していません。
栽培できるキノコと何が違うのでしょうか。
実は、栽培できるキノコのほとんどは、枯れ木を分解して栄養素とする木材腐朽菌(腐生菌)です。
これに対してマツタケは、生きた植物と共生する菌根菌であり、植物のつくる、単糖などの分子量の小さい炭水化物を栄養源にしています。
菌根菌は一般に分子量の大きい炭水化物の分解力が大変低く、このため、共生する植物がないと菌根菌のキノコであるマツタケなどの栽培は難しいと言われています。
ただし、いくつかの菌根菌キノコでも菌床栽培が可能となっています。
ホンシメジでは、分子量の大きな炭水化物であるデンプンの分解能力の高い菌株が見つけ出され、デンプンの多い麦などを混ぜた培地でビン栽培されています。
菌根菌は、腐生菌が進化の過程で植物と共生するようになったものであり、このため菌根菌でも、分子量の大きな炭水化物を分解する能力を残した菌株があると言われています。
キノコにはどんな成分が含まれているのでしょうか。
キノコはほとんどカロリーが無く、水分に次いで食物繊維が多く含まれています。
他には、紫外線に当たるとビタミンD2に変化するエルゴステロールという成分や、ビタミンB群、カリウムなどが比較的多く含まれています。
さらにキノコは、毒を持つものや、抗がん作用をはじめとする薬理作用があるものも知られ、このような生理活性成分の多さが注目されています。
キノコの風味をつくる成分にはどんなものがあるのでしょうか。
干しシイタケのだし汁は、グアニル酸という、うま味成分を多く含んでいます。
グアニル酸はRAN(リボ核酸)が酵素で分解されて生じます。
この酵素はシイタケの細胞膜がこわれ、なおかつ高温の時によく働きます。
このため、乾燥して細胞膜が傷ついた干しシイタケを水でもどして加熱する際、うま味がよくつくられます。
シイタケの乾燥は、レンチオニンという香り成分も生み出します。
こうして、干しシイタケは生シイタケよりも一層美味しくなるのです。
グアニル酸は、グルタミン酸などのアミノ酸系のうま味と合わせるとうま味が増します。
ホンシメジは、この二つのうま味成分いずれも、マツタケや干しシイタケより多く含みます。
ホンシメジが「香りマツタケ、味シメジ」と言われる所以です。