ビタミンB1の上手な取り方

主食は、白米より玄米や胚芽米、全粒粉のパンなど胚芽つきのものがおすすめです。

ビタミンB1は水に溶けやすい性質を持ち、加熱すると一層溶けやすくなりますので、汁ごと食べられる調理法がおすすめです。

にんにくの香り成分であるアリシンと一緒に摂ると、利用効率が高まりお勧めです。


ビタミンB1を多く含む食品

1食当たりの目安量含有量(mg)
穀物玄米ごはん 1杯 150g0.24
そば(生) 1玉 130g0.25
小麦胚芽 10g0.18
豚ヒレ肉 80g0.78
豚もも肉 80g0.72
豚ロース肉 80g0.55
ボンレスハム 2枚 40g0.36
豆類大豆(乾燥)0.25
絹ごし豆腐 1/2丁 150g0.15
ウナギの蒲焼き 1串 100g0.75
  • ビタミンB1は、豚肉、魚、豆類、種実類、胚芽つきの穀物などに多く含まれる。


ビタミンB1が不足すると

イライラしたり、疲れやすくなる

精神を安定させる作用があるため、不足するとイライラして、それを抑えようとさらにビタミンB1が失われるという悪循環になってしまいます。

また、糖質の代謝が低下してエネルギー不足になり、疲れやすくなります。
悪化すると、手足のしびれや動悸、食欲不振などが現れる「脚気」を招くこともあります。

ビタミンB1を取り過ぎると

特に心配はない

ビタミンB1は短時間で排泄され、取りだめができない分、過剰症の心配はありません。

また、ニンニクに含まれるビタミンB1は、ニンニクのにおい成分アリシンと結合することでアリチアミンとなり、血液中に長く滞在します。
余分に取ったビタミンB1も排泄されないため、疲労回復効果が持続します。

ビタミンB1の1日摂取基準

年齢(歳)推奨量(mg) ※は目安量
0~5(月)※0.1※0.1
6~11(月)※0.3※0.3
1~2(歳)0.50.5
3~5(歳)0.70.7
6~7(歳)0.90.8
8~9(歳)1.11.0
10~11(歳)1.21.2
12~14(歳)1.41.2
15~17(歳)1.51.2
18~29(歳)1.41.1
30~49(歳)1.41.1
50~69(歳)1.31.0
70以上(歳)1.00.8
  • 妊婦初期は+0、中期は+0.1、末期は+0.3、授乳婦は+0.1を付加する。


穀物のビタミンB1

穀物の胚芽には、ビタミンB1が豊富に含まれています。

しかし、この胚芽は、精白米など精製度の高いものほどその含有量は少なくなり、洗うことでさらに減少します。

精白米は、玄米に比べて、80%もビタミンB1が減っているのです。

精白米をたくさん食べておかずが粗末だった大正時代には、ビタミンB1欠乏によって起こる脚気が国民病といわれるほど日本に蔓延していました。


ビタミンB1と一緒に摂取したい栄養素&取り方

ビタミンB1+アリシン ビタミンB1の働きを高め、疲れにくい体に

アリシンはニンニクなどのにおいのもとで、イオウ化合物の一種です。
ビタミンB1の吸収をよくして糖質の代謝を促し、疲労を回復させます。
スタミナがつくため、夏バテなどに効果的です。

アリシンは、切ったりつぶしたりすると働くため、細かく刻んで薬味などにすると良いでしょう。

  • アリシンが豊富な食品
    にんにく、ネギ、玉ネギ、ニラなど
    にんにく

ビタミンB1+ナイアシン 糖質の代謝を高め、筋肉痛を予防する

ナイアシンは、糖質脂質タンパク質の代謝に欠かせない水溶性ビタミンです。
ビタミンB1と合わせて取ることで糖質の代謝が高まり、効率よくエネルギーを生み出させます。

乳酸などの疲労物質が筋肉にたまりにくくなるため、筋肉痛の予防にも効果的です。

  • ナイアシンが豊富な食品
    レバー、カツオ、マグロ、アーモンドなど

レバー

ビタミンB1を上手に取るための調理や食事の工夫

野菜は糠味噌に漬けて、ビタミンB1を増やす

きゅうりや大根、ナスなど、野菜を糠味噌漬けにすると、糠味噌に含まれるビタミンB1が野菜に吸収されて、B1の含有率が7倍にアップします。

さらに胃腸の働きを助ける乳酸菌も増えるため、便秘や下痢の予防・改善にもなります。

熱に弱く、溶けやすいため、加熱は短時間で済ませる

ビタミンB1は水溶性で、加熱するとさらに溶けやすくなるなど、調理による損失が大きいのが難点です。
加熱は短時間で済ませ、煮汁やゆで汁も活用しましょう。

また、水道水に含まれる塩素は、ビタミンB1を減らします。
炊飯はミネラルウォーターを使うと良いでしょう。

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