カルシウム
カルシウムは、日本人に不足しがちなミネラルで、丈夫な歯や骨をつくり、筋肉と神経の働きをサポートします。
ミネラルの中では、体内に最も多く存在し、体重の1~2%を占めています。
そのうち、約98~99%は骨や歯などの硬い組織に存在しています。
骨の中では、新しい骨をつくる「骨形成」と古くなった骨を壊す「骨吸収」が繰り返し行われています。
この活発な骨代謝に最も関与するのがカルシウムなのです。
体内に存在する残り1%のカルシウムは、血液や筋肉、すべての細胞に広く分布しています。
血液凝固や筋肉収縮、神経の興奮の抑制などのほか、細胞内外のカルシウム濃度を差を利用して、細胞の機能調節を行ったり、ナトリウムを排泄して血圧上昇を防ぐ作用があります。
化学記号 | Ca |
カルシウムの体内分布 | 骨、歯、血液、筋肉、神経など |
カルシウムの生理作用 | 骨や歯などの硬組織を形成、細胞の情報伝達、筋肉の収縮、 神経の興奮を抑えるなど |
摂りすぎによる弊害 | 泌尿器系結石、鉄・亜鉛・マグネシウムなどの吸収阻害 |
不足による弊害 | 幼児の骨の発育障害、骨粗鬆症 |
1日の摂取基準 | 成人男性:600~650mg 成人女性:600mg |
カルシウムの生理的役割
- 骨や歯などの硬組織をつくります。
- 神経の電気的興奮を伝達するのに関与し、神経や筋肉の興奮を和らげます。
- 出血したとき止血するための血液の凝固作用に関係しています。
- 心筋や手足の筋肉の収縮作用に必要です。
- カルシウム拮抗剤といわれる医薬品が心筋の緊張を低下させることから、狭心症や高血圧などの場合、治療あるいはその予防に用いられます。
カルシウムの過剰摂取による弊害
カルシウムを過剰に摂り過ぎると、泌尿器系結石を起こす可能性が高まるといわれています。
また、鉄や亜鉛、マグネシウムなどの他のミネラルの吸収を妨害することもわかっています。
カルシウムの摂取不足による弊害
カルシウムが慢性的に欠乏すると、骨量が減少し、骨折や骨粗鬆症を起こす確率が高くなります。
特に閉経後の女性においては、ホルモンの影響で骨量が減少しやすくなります。
このほか、カルシウムの慢性的な欠乏が長く続くと肩こりや腰痛が起こったり、イライラするといった神経過敏症になることがあります。
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