ビタミンDの上手な摂り方

ビタミンDは脂溶性なので、動物性食品のほうが効率よく吸収されますが、きのこ類でも油を使い、いため物や揚げ物にすれば吸収率が向上します。

また、きのこ類を細かく刻んでハンバーグなどの肉だねに混ぜれば、肉の脂身でビタミンDの吸収が高まるうえ、かさが増し、満腹感も得られます。

きのこ類にはエルゴステロールというビタミンD前駆体が含まれ、これは紫外線によってビタミンDに変化します。

近年売られている機械乾燥の干し椎茸の場合は、かさの裏に日光を当てることにより、ビタミンDを増やすことができます。

ネットなどに入れ、日当たりのよいところにつるしておけばOKです。

干し椎茸

ビタミンDの摂取が不足すると

骨が弱く、もろくなる

ビタミンDが不足するとカルシウムやリンが骨に沈着しにくくなり、骨が弱くなる骨軟化症(子どもの場合は「くる病」と呼ぶ)や、骨がスカスカになって骨折しやすくなる骨粗しょう症の原因となります。

また、歯が弱くなるため、虫歯にもなりやすくなります。
その他、X脚、O脚の原因になるとも言われています。

ビタミンDをとり過ぎると

血管や内臓にカルシウムが沈着する

1日に必要な摂取量の10倍以上をとり続けるなど過剰摂取をすると、血管壁や肺、胃、腎臓など、カルシウムが体内に沈着するようになります。

血管壁に沈着すると、血管の内腔が狭くなり、血管がもろくなる動脈硬化の原因になります。
悪化すると、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。


ビタミンDを多く含む食品

1食当たりの目安量含有量(μg)
アンコウ・きも 1切れ 50g55
紅ザケ 1切れ 100g33
塩ザケ 1切れ 100g23
カラフトマス 1切れ 100g22
サンマ 1尾 150g20
イサキ 1尾 180g15
シマアジ 80g14
イワシ丸干し 1尾 30g13
きのこ白きくらげ 5個 5g49
黒きくらげ 10個 3g13
  • ビタミンDは、魚(特に青背魚)、卵黄、乳製品、きのこ類などに多い。


ビタミンDの1日摂取基準

年齢(歳)目標量(μg)上限量(μg)
0~5(月)2.5(5)2.5(5)25
6~11(月)4(5)4(5)25
1~2(歳)3325
3~5(歳)3325
6~7(歳)3330
8~9(歳)4430
10~11(歳)4440
12~14(歳)4450
15~17(歳)5550
18~29(歳)5550
30~49(歳)5550
50~69(歳)5550
70以上(歳)5550
  • ※妊婦・授乳婦は+2.5を付加する。
    0~11月の( )は日照を受ける機会の少ない乳児の目安量


ビタミンDと一緒にとりたい栄養素&とり方

ビタミンD+カルシウム カルシウムの吸収を助け、骨粗しょう症を防ぐ

カルシウムは日本人に不足しがちなミネラルの1つで、吸収されにくい性質を持っています。
ビタミンDと合わせると吸収率が高まり、骨に沈着しやすくなります。

骨がスカスカになってもろくなり、骨折などを起こしやすくなる骨粗しょう症予防につながります。

  • カルシウムの豊富な食品
    チーズ、牛乳、煮干し、納豆など

    チーズ

ビタミンD+脂質 ビタミンDの吸収が高まり、骨や歯を丈夫に

ビタミンDには、カルシウムやリンの吸収を高める働きがあります。
脂溶性なので、肉や油など脂質を含むものと合わせると吸収が良くなり、骨や歯の発育を促します。

特に成長期の子供や、閉経後の女性、高齢者はカルシウム不足になりやすいため、意識してとりましょう。

  • 脂質の豊富な食品
    肉類、魚介類、バター、植物油など

    肉

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