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植物の赤や黄色の色調をもつ脂溶性色素をカロテノイドいい、α、β、γ-カロテンなどがあります。
カロテンは緑黄色野菜に含まれる体の中でビタミンAに変化し、プロビタミンAとも呼ばれています。
カロテンには抗酸化作用とビタミンAの前駆体としての2つの働きがあります。
人間は空気の中の酸素なしで生きることはできません。
この酸素が生体内で酵素などによって活性化されると,反応性の高い活性酸素が生成され体内で脂肪と結合し,また活性酸素から水素をうばってフリーラジカルと呼ばれる物質を発生させます。
活性酸素とフリーラジカルは細胞に有害で,細胞を老化,ガン化させたり,動脈硬化や糖尿病などの成人病,炎症,自己免疫疾患の原因となると考えられています。
また遺伝子の核酸DNAにも損傷を与えることも確認されています。
一方生体にはSODとして知られているスーパーオキサイドデスムターゼやカタラーゼなどが存在し活性酸素を消去する機構とビタミンEなどの抗酸化物質を利用してフリーラジカルを補足する防御機能が発達しています。
β-カロテンのようなカロテノイドは活性酸素消去とフリーラジカル補足の働きがあり,この抗酸化作用の特徴は体の組織内の弱い酸素の圧力で,しかも低濃度で反応することができるので,緑黄色野菜のカロテノイドに成人病予防を期待する理由はここにあります。
ガン予防の立場からカロテンはビタミンAをはるかに上回る効力をもっているので,直接緑黄色野菜からカロテンを取ることが望ましいでしょう。
世界中で約10万人を対象としたβ-カロテンについての臨床治験が実施されていますが,多くの場合β-カロテンとビタミンE,C,Aなどの組合せによる抗ガン作用に関する治験です。
ただカロテンの生体内での作用を直接証明したものはないので今後の研究課題といえます。
にんじん、パセリ、春菊、あしたば、ほうれん草、西洋かぼちゃ、にら、小松菜など。
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