苦瓜(ニガウリ)

苦瓜(ニガウリ)は、糖尿病、がん、ウイルス感染症などに対して用いられてきました。
臨床試験では、糖尿病患者の血糖降下作用が確認されています。

有効成分としては、チャランチン、モモルデシン、ポリペプチド-Pなどが含まれています。

これらは、動物および人の両方で、肝臓や筋肉、脂肪細胞といった組織におけるブドウ糖の取り込みを促進して、血糖値を低下させる作用があります。

また、グリコーゲンの合成を促進させることも確認されています。その結果、耐糖能が改善され、糖尿病に効果があると考えられます。

例として、某大学により発表された実験では、高シンスリン血症のⅡ型糖尿病モデルマウスに対して、ニガウリ果実抽出物を一日一回5週間経口投与させ、各投与の30分後にトレッドミル運動が負荷される実験では、投与後5週間の血糖値は減少し、血漿インスリン濃度も低下(改善)したという結果が報告されています。

苦瓜(ニガウリ)の効能効果

糖尿病での血糖コントロールの改善(食後過血糖改善)など。



苦瓜(ニガウリ)効能効果根拠

糖尿病患者に苦瓜を投与することで、空腹時血糖や食後過血糖が改善が認められたとする報告が数多くなされています。

例として、100人の2型糖尿病患者を対象にした研究では、86人で空腹時血糖と食後過血糖の両方が改善し、5人では空腹時血糖のみの改善が確認されたといいます。

その他、苦瓜ジュース(搾り汁)を投与した18人の糖尿病患者のうち、13人で耐糖能が改善したという報告や、8人の患者に苦瓜の乾燥粉末を7週間投与することで、空腹時血糖と耐糖能とが改善したという結果などが報告がされています。
 
さらに、基礎研究でも、数多くの動物実験において、糖尿病改善効果が確認されています。

基礎研究の分野では、抗ウイルス作用、抗炎症作用、抗コレステロール作用などが確認されています。

また、白血病細胞や乳ガン細胞を使った研究では、苦瓜の抗ガン作用が確認されています。
ただし、苦瓜の血糖降下作用に関しては、二重盲検試験といった厳密な臨床試験は報告されていません。

苦瓜(ニガウリ)の摂取方法

錠剤やカプセル、乾燥粉末、ジュース(搾り汁)として摂取します。

特に決まった用量はなく、糖尿病など気になる症状や病気の程度に応じて、増減すると良いでしょう。

たとえば、苦瓜の搾り汁で50mlに相当する量を、1日あたり1~2回摂取します。

苦瓜(ニガウリ)の注意する点

通常の食材に由来する成分であり、特に、問題となる健康被害や副作用は報告されていません。

ただし、腹痛や下痢といった消化器症状、頭痛などが現れることが稀にあり、これらの症状が認められた場合にはただちに服用を中止しましょう。

苦瓜には血糖を下げる作用があるため、効果の現れやすい子どもや高齢者では注意して摂取しましょう。

また、妊娠中は、念のため、サプリメントとしての利用を避けたほうが良いでしょう。

糖尿病患者が用いる場合には、まず、主治医に相談すると良いでしょう。
特に、何らかの糖尿病治療薬をすでに使用している人では、血糖降下作用に関して相加作用も考えられるので、念のため注意する必要があります。