アラビノキシラン
アラビノキシランとは、針葉樹やイネ科植物(米糠)に由来するヘミセルロースという糖質の一種です。米糠ヘミセルロースに、シイタケやスエヒロタケなどの菌糸体に含まれる酵素を作用させることで、アラビノキシランが得られます。バイオブランあるいはMGN-3とも呼ばれます。
免疫賦活作用による抗がん作用、抗酸化作用、抗ウイルス作用、糖尿病改善作用などが期待されています。
アラビノキシランが免疫力を高めるメカニズムとして、NK(ナチュラルキラー)細胞の活性を促し、インターフェロンγやTNFα(腫瘍壊死因子α)の産生を増加させるといったデータが確認されています。
たとえば、ラットにアラビノキシランを2週間経口投与したところ、用量に依存してNK細胞活性が高まりました。
人の末梢血リンパ球をアラビノキシランで処理すると、インターフェロンγおよびTNFαの生成が促進されました。
また、糖尿病モデル動物に投与した実験では、中性脂肪や総コレステロール値の改善が確認されています。
別の実験では、糖尿病モデル実験ラットの耐糖能がアラビノキシランによって改善したというデータも報告されています。
さらに、2001年に九州大学から報告された基礎研究によると、致死性敗血症モデル動物において、アラビノキシランが生存率を高めたというデータもあります。
そのほか、アラビノキシランの抗酸化作用、抗HIVウイルスなども確認されています。
アラビノキシランの効能効果
抗がん作用、免疫賦活作用、抗ウイルス作用など。
アラビノキシランの効能効果根拠
さまざまな疾患に効果があったとする症例が報告されています。
具体的には、B型およびC型肝炎、肝ガン、大腸ガンなどに効果が確認されたといわれています。
また、5人の乳ガン患者にアラビノキシランを1日あたり3g投与したところ、1~2週間以内にNK細胞活性が高まりました。
このとき、特に副作用などは認められていません。
27人のガン患者に投与した研究でも、同様にNK細胞活性が高められたことを認めた。
さらに、アラビノキシランを主成分とする米糠エキス水解物を36人の高齢者に6週間投与した臨床試験では、風邪症状の発現期間が短縮し、症状の悪化と身体的負担軽減に有効であることが確認されています。
アラビノキシランの摂取方法
特に決まった摂取量はありません。
一般に、短期間では効果が期待できないので、継続して利用するようにします。
症例報告では、ガン患者に対しては、比較的高用量が投与されています。また、投与量に正比例して、免疫力を高める作用が確認されています。
アラビノキシランの注意する点
通常の食材に近い成分であり、問題となる健康被害や副作用は確認されていない。
他のサプリメントや医薬品との相互作用は報告されておらず、併用は問題ないと考えられます。
ただし、人に使用したデータがまだ十分とはいえないため、何らかの医薬品を使用している場合には、主治医に相談の上、判断しましょう。
また、妊娠中や授乳中での使用に関しては、データが十分ではないため、念のため注意しましょう。
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