マリアアザミ

2000年以上にわたりヨーロッパにおいて、肝臓の病気に対して利用されてきたハーブです。

あざみ

さまざまな原因による肝障害に対して、効果が示されてきました。

マリアアザミの肝臓保護作用に関与する有効成分として、フラボノリグナン類があります。
特に、シリビン、シリジアニン、シリクリスチンという成分が重要であり、これらはシリマリンと総称されています。

別の数種類のフラボノリグナン類も知られています。
ただし、作用メカニズムの詳細はまだ明らかにはなっていません。
 
シリマリンの作用として、基礎研究では、肝細胞の保護作用、抗酸化作用、抗ガン作用、抗炎症作用などが報告されています。
また、抗繊維化作用も示されており、これが、動物実験やヒトを対象にした臨床試験において認められた肝硬変の予防・改善作用に関係すると考えられます。

マリアアザミの効能効果

アルコール性肝障害の予防と改善、肝硬変の改善、急性A型およびB型ウイルス性肝炎・肝障害の改善、慢性B型およびC型ウイルス性肝炎・肝障害の改善、薬剤性肝障害の予防と改善など。



マリアアザミの効能効果根拠

これまでに行われた21の臨床試験では19の研究で有効性が示されています。
具体的には、合計2430人の被験者が対象となった研究において、肝硬変、アルコール性肝障害、ウイルス性肝障害、薬剤性肝障害に対する有効性が確認されました。
 
たとえば、43人のアルコール性肝障害患者を対象にして、420mgのマリアアザミを1~2カ月間投与した臨床試験では、GOTやGPTといった肝障害の指標の改善、食欲不振などの自覚症状の改善が認められました。
 
ウイルス性肝障害としては、急性A型肝炎、急性B型肝炎、慢性B型肝炎、慢性C型肝炎についての効果が確認されています。
たとえば、慢性B型あるいはC型肝炎患者20人に対して480mgのマリアアザミを1週間投与した研究では、GOT、GPT、γ-GTPなどの指標が有意に改善しました。
 
また、急性A型あるいはB型肝炎の患者57人に対して21~28日間にわたりマリアアザミを420mg投与したところ、GOT、GPT、総ビリルビン値の改善が認められました。
さらに、薬剤性肝障害に対する効果も臨床試験で示されています。

肝硬変に対する試験

・試験デザイン:プラセボ(偽薬)を対照とした二重盲検試験

  • 対象:酸化ストレス下のアルコール性肝硬変患者
  • 人数:49人(男性48人、女性1人)
  • 投与量:シリマリン450mg/日、を6ヵ月
  • 結果:6ヵ月の投与によりグルタチオンレベルの上昇、プロコラーゲンⅢペプチドの減少が認められました。

マリアアザミの摂取方法

シリマリンに換算して1日あたり200~400mg摂取します。
短期間では効果が期待できないので、継続して利用します。

マリアアザミの注意する点

長く利用されてきたハーブであり、比較的安全性は高いと考えられます。
稀に、悪心や嘔吐といった胃腸障害を生じることがあります。
ただし、一般的には特に問題となる健康被害や副作用は知られていません。
 
肝臓や胆嚢に病気のある人、妊娠中や授乳中の人が利用する場合には、念のため主治医に相談の上、使用すると良いでしょう。



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