ブルーベリー(ビルベリー)
ブルーベリーの果実から抽出された成分には、眼精疲労の回復や網膜の保護といった効果があります。
臨床試験では、糖尿病性網膜症や夜間視力の改善といった作用が報告されてきました。
基礎研究では、抗ガン効果も示唆されています。
有効成分として、青紫色の色素成分であるアントシアニン類が注目されています。
ブルーベリーの有効成分は、アントシアニン類、カテキンやプロシアニジンなどのタンニン類、ケルシトリンなどのフラボノイド類、クロロゲン酸などで、いずれもファイトケミカル(植物由来の抗酸化栄養素)です。
特にアントシアニン類が重要と考えられます。
基礎研究において、血管保護作用、抗浮腫作用、抗酸化作用、抗炎症作用、血小板凝集抑制作用が認められています。
ブルーベリーのアントシアニン類が、網膜のロドプシン再合成を促進し、夜間視力を向上させると考えられています。
なお、ブルーベリーサプリメントの中にはVMA配合と記載している製品がありますが、VMAというのは、サプリメントに用いられるブルーベリーの学名の頭文字(VM)とアントシアニンの頭文字(A)に由来する略語です。
ブルーベリーの効能効果
眼精疲労の改善、網膜の保護作用、血管保護作用、糖尿病性網膜症や高血圧性網膜症の改善、加齢性白内障の予防など。
ブルーベリー効能効果根拠
ブルーベリーの血管保護作用に関して、25%アントシアニン類として調整されたサプリメントを投与することによって、糖尿病性網膜症や高血圧性網膜症が改善され、ブルーベリーによる網膜保護作用を認めたというデータがいくつかの臨床試験によって示されています。
たとえば、14人の糖尿病性網膜症患者にブルーベリーサプリメントを1カ月間投与したところ、網膜の状態が改善し、特に副作用は認められなかったといいます。
加齢性白内障に対する効果も報告されています。
たとえば、50人の高齢者を対象にした臨床試験では、ブルーベリー(25%アントシアニンを360mg)とビタミンEサプリメントを4カ月間投与したところ、白内障の進行が予防できたといいます。
その他、緑内障や網膜色素変性症といった目の病気、動脈硬化性疾患の予防にも効果があると期待されています。
網膜症に対する試験
・試験デザインプラセボ(偽薬)を対照とした二重盲検試験
- 対象:糖尿病性あるいは高血圧性の網膜症患者(20~60歳)
- 人数:36人(男性24人、女性12人)
- 投与量:ビルベリーエキス(アントシアニン36%)160mg×2回/日を1ヵ月間
- 結果:眼底検査などによる血管造影パターンの改善が77~90%に認められました。
白内障に対する試験
・試験デザインプラセボ(偽薬)を対照とした二重盲検試験および4ヵ月後のオープン・ラベル試験
- 対象:初期老人性白内障患者(48~81歳)
- 人数:50人(男性21人、女性29人、62例の眼球)
- 投与量:ビルベリーエキス(アントシアニン25%)180mg×2回/日を4ヵ月間
- 結果:97%にレンズの白濁遅延が認められました。
月経困難症に対する試験
・試験デザインプラセボ(偽薬)を対照とした二重盲検試験
- 対象:慢性的な月経困難症患者(17~30歳)
- 人数:36人
- 投与量:ビルベリーエキス(アントシアニン25%)160mg×2回/日を生理の3日前から8日間、2ヵ月のサイクル
- 結果:腰痛、胸部の張り、吐き気などに有意な改善が認められました。
ブルーベリーの摂取方法
25%アントシアニンとして調整された、ブルーベリーのサプリメントを利用します。
なお、アメリカでは、「ビルベリー」と呼ばれることが多くあります。
ブルーベリーの注意する点
通常の食材に由来する成分であり、問題となる健康被害や副作用の報告はされていせん。
他のサプリメントや医薬品との相互作用も報告されておらず、併用しても問題ないものと考えられます。