トコトリエノール

抗酸化ビタミンの代表であるビタミンEは、トコフェロール類とトコトリエノール類の2つに分けられます。
サプリメントのビタミンEには、通常αトコフェロールが主成分として含まれており、末梢血行障害による肩こりや更年期障害に対して用いられています。
 
一方、もう1つのビタミンEであるトコトリエノール類には、血中コレステロールを下げる働きがあります。
この作用は、トコフェロール類には認められません。

さらに、トコトリエノール類は強力な抗酸化作用や動脈硬化予防作用をもっており、抗ガン作用や免疫賦活作用についても研究が進められています。
 
高コレステロール血症を改善し生活習慣病を予防するサプリメントとして、トコトリエノールが注目されています。

トコトリエノールは植物性油脂の成分であり、特にパームオイルに豊富に含まれている他、米や麦類、ココナッツの油脂成分にも存在します。ただし、キャノーラオイルやオリーブオイル、ピーナッツ、大豆などよく用いられる植物オイルには、トコトリエノールはほとんど含まれていません。
 
トコトリエノールには、α、β、γ、δの4種類があり、脂溶性ビタミンとしての性質をもっています。

トコトリエノールの効能効果

  • 抗ガン作用、抗酸化作用、コレステロール低下作用、動脈硬化予防効果、血栓症の予防作用など。


トコトリエノールの効能効果根拠

トコトリエノールによるコレステロール低下作用は、動物実験やヒトを対象にした研究において示されてきました。
 
1995年にアメリカから報告された研究では、1日あたり200~220mgのトコトリエノールを4週間投与した結果、総コレステロール値が10~13%減少し、HDL(善玉)コレステロールが上昇しました。
 
また血栓形成を予防する効果も確認されています。
この作用は、トコトリエノールによってトロンボキサンBの合成や血小板第四因子の働きが抑制されるためです。
 
トコトリエノールによる動脈硬化の抑制作用は、(1)LDLコレステロールの酸化防止、(2)HMG-CoA還元酵素の抑制によるコレステロール低下、(3)血小板凝集抑制作用といった複数の働きの組み合わせによると考えられます。

さらに、トコトリエノールが血中リポタンパク質を低下させることも報告されており、これも動脈硬化の抑制に働きます。
 
人を対象にした研究では、トコトリエノールによって内頸動脈の動脈硬化病変が退縮したという報告があります。
 
ガン細胞の増殖を抑制するというデータもあります。
たとえば、トコトリエノールがエストロゲン陽性およびエストロゲン陰性のヒト乳ガン細胞を抑制することが報告されています。
 
トコトリエノールの抗ガン作用について、詳細はまだ不明です。
トコトリエノールがガン細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導するという仮説もあります。
 
ビタミンEの一種であるトコトリエノールには、トコフェロールと同様に抗酸化作用があります。
トコトリエノールの中で最も抗酸化力が強いのはγトコトリエノールであり、αとδがそれに続きます。
 
人を対象にした研究の中には、ビタミンEサプリメントを服用しても疾病予防効果が認められなかったとするデータがあります。
これらの研究で用いられたビタミンEサプリメントの主成分は、一般にαトコフェロールです。
最近では、ビタミンEの効果は、トコフェロールとトコトリエノールの組み合わせによる作用であると考えられています。

トコトリエノールの摂取方法

有効成分のもつ作用によって、生活習慣病の予防や改善を目的とする場合、短期間では効果が期待できないので、継続して使用する必要があります。

トコトリエノールの注意する点

通常、1日あたり200mgを目安に、食事と一緒に摂取します。
過剰症は報告されていません。
 
肝臓でのコレステロールの合成は夜間に活発になるため、トコトリエノールの摂取は夕食後が効果的です。
短期間では効果が期待できないので、継続して利用する必要があります。



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