ピクノジェノール

ピクノジェノールとは、フランス南西部に自生する「フランス海岸松」という松の樹皮の抽出物です。

強力な抗酸化作用や抗炎症作用による生活習慣病の改善や予防、婦人科系疾患の改善、認知機能の改善、静脈循環不全の改善、血管の弛緩による高血圧の改善といった効果が報告されています。

ピクノジェノールの本体は、フランス海岸松に由来するプロシアニジン類で、フラボノイドに属するファイトケミカルのひとつです。

一般に、カテキンの二量体やエピカテキンカテキンの複合体の形で存在しています。
 
ピクノジェノールは、強力な抗酸化力や抗炎症作用、心血管系の器官を保護する作用などをもっており、具体的には、ヒドロキシラジカルやスーパーオキサイドラジカル、脂質ペルオキシラジカルなどを除去する作用、動脈硬化の原因となるLDL(悪玉)コレステロールの酸化抑制作用を示します。

ピクノジェノールの効能効果

  • さまざまな生活習慣病の予防や改善効果、静脈循環不全に伴う症状の改善、抗酸化作用や抗炎症作用など。


ピクノジェノール効能効果根拠

ピクノジェノールが有効である疾患は、活性酸素による酸化ストレスによって生じる老化現象や生活習慣病です。

強力な抗酸化力によって、動脈硬化性疾患や神経変性疾患に効果があります。

この他、抗ガン作用や抗糖尿病作用、免疫賦活作用なども示唆されています。
 
また、免疫系に対する作用として、Tリンパ球やBリンパ球、NK(ナチュラル・キラー)細胞などの機能を亢進させます。
 
フランスではピクノジェノールが血管の病気に広く利用されてきました。
これは、動脈硬化の抑制や静脈瘤に伴う症状を改善するからで、抗酸化作用と抗炎症作用が血管系に働き、動脈や静脈、毛細血管の機能維持に働くことによります。
 
なお、女性では、下肢静脈瘤が生じやすいが、複数の臨床試験によって、ピクノジェノールが、静脈循環不全に伴う症状(痛みや浮腫など)を改善することが示されています。
 
ピクノジェノールは、喫煙者にもメリットがあります。
喫煙者では、活性酸素やタバコそのものの害によって、血小板が凝集し血栓症を起こしやすいのですが、臨床試験ではピクノジェノールが喫煙に伴う血小板凝集を抑えることが示されました。

慢性静脈不全に対する試験

・試験デザイン:プラセボを対象とした二重盲検試験

  • 対象:慢性静脈不全および下肢静脈瘤を有する患者(30~74歳)
  • 人数:40人(男性13人、女性27人)
  • 投与量:ピクノジェノール100mg×3回/日を2カ月間
  • 結果:摂取30日および60日後において、下肢の痛み、浮腫が有意に改善され、浮腫の治験率は60%でした。

ピクノジェノールの摂取方法

有効成分のもつ抗酸化作用や抗炎症作用などによって生活習慣病の予防や改善を目的とする場合、短期間では効果が期待できないので、継続して利用する必要があります。

ピクノジェノールの注意する点

ピクノジェノールに含まれる植物由来の成分に対してアレルギー症状や過敏症が現れることがあります。
 
ただし、一般には、特に問題となる健康被害や副作用は報告されていません。

また、他のサプリメントや医薬品との相互作用は認められておらず、併用は問題ないと考えられます。



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