冬虫夏草(とうちゅうかそう)
冬虫夏草とはバッカク菌科に属する真菌(キノコ)類であり、昆虫に寄生します。
中国伝統医学において利用されてきた成分であり、免疫賦活作用や滋養強壮作用、生活習慣病予防効果があります。
有効成分として各種の多糖類が存在します。
たとえば、多糖類が副腎皮質ホルモンの一種の産生を促すというデータがあります。
これまでに各種の基礎研究が行われており、冬虫夏草が免疫系や内分泌系、心臓循環器系、神経系、腎臓泌尿器系などに好影響を与えることが示されてきました。
具体的には、冬虫夏草による免疫賦活作用として、NK(ナチュラル・キラー)細胞の活性化、単球やヘルパーTリンパ球の活性化、インターフェロンやインターロイキン1などの増加などが確認されました。
また、抗ガン作用として、肺ガン細胞や悪性黒色腫細胞に対する効果が報告されています。
さらに、抗糖尿病作用、コレステロール低下作用、肝障害や腎臓障害の改善作用、育毛(毛再生)促進効果などが報告されてきました。
冬虫夏草の効能効果
- 抗ガン作用、生活習慣病予防効果、免疫賦活作用、滋養強壮作用、コレステロール低下作用、抗糖尿病作用、抗疲労効果、運動能力向上作用など。

冬虫夏草の効能効果根拠
2003年に報告された動物実験では、冬虫夏草の菌糸体熱水抽出物が、総コレステロール値およびLDL(悪玉)コレステロール値を低下(改善)させ、HDL(善玉)コレステロール値を上昇(改善)させました。
抗ガン作用に関する基礎研究では、ガン細胞を移植した動物に、冬虫夏草を投与したところ、延命効果が認められたといいます。
2002年に富山県国際伝統医学センターから報告された臨床試験では、健常男子10名を対象に、冬虫夏草菌糸体エキス飲料を1週間投与した結果、運動能力、抗疲労能、循環機能の向上が認められたということです。
その他、冬虫夏草菌糸体エキスとアントシアニン配合飲料の投与によって、注意力(集中力)や精神活動における俊敏性や柔軟性が高まり、さらに、その能力が長時間持続したというデータもあります。
日本における症例報告としては、肝硬変に肝ガンを合併した43歳男性に、漢方薬(小柴胡湯エキス剤)と冬虫夏草との併用療法を行ったところ、食欲、肝機能、黄疸などが著明に改善した例があります。
冬虫夏草の摂取方法
有効成分のもつ作用によって、生活習慣病の予防や改善を目的とする場合、短期間では効果が期待できないので、継続して使用する必要があります。
冬虫夏草の注意する点
中国伝統医学や欧米の代替医療において利用されてきた成分であり、特に、問題となる健康被害や副作用は認められていません。
他のサプリメントや医薬品との相互作用なども報告されていません。
ただし、理論上、一部の医薬品との相互作用が推測されるので、何らかの医薬品を服用中の場合には、念のため、主治医に相談するようにしましょう。
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