サム・イー(SAMe)

サム・イー(SAMe)とは、「S-アデノシル-メチオニン」というアミノ酸の一種であり、1952年に発見されました。70年代以降、抗うつ作用に関する臨床試験が行われてきました。

その間、関節炎が改善したという被験者が多く報告され、関節炎に対する効果が確認されています。

今日では、主に軽症から中程度のうつ病、および関節炎に対して利用されています。

サム・イー(SAMe)は、アミノ酸の一種・メチオニンから合成され、生体内に広く分布している成分です。

体内では100以上の生化学反応に関与していますが、加齢とともに減少してきます。

サム・イー(SAMe)の抗うつ作用のメカニズムに関しての詳細は、はっきりしていませんが、脳内のセロトニン代謝への影響、ドーパミンやノルエピネフリンの濃度への作用が確認されています。

関節炎や関節リウマチへの効果については、サム・イー(SAMe)による抗炎症効果、軟骨修復促進効果などが報告されています。

肝障害では、メチオニンからサム・イー(SAMe)への合成能が低下しており、そこにサム・イー(SAMe)を摂取することで、改善が確認されると考えられます。

サム・イー(SAMe)の効能効果

抗うつ作用、パーキンソン病に伴ううつ病の改善効果、関節炎改善効果、関節リウマチに伴う症状の改善効果、アルコールおよび薬剤性肝障害の改善効果、繊維筋痛症の改善効果など。

サム・イー(SAMe)効能効果根拠

サム・イー(SAMe)は、軽症から中程度のうつ病に対して用いられ、70年代以降多数の臨床試験によってサム・イー(SAMe)の抗うつ作用が確認されてきました。

94年にまとめられたデータによると、合計1170人を対象にした臨床試験の結果、医薬品と同等かそれ以上の効果が確認されています。

また、パーキンソン病に合併するうつ病に対しても、サム・イー(SAMe)摂取による効果が臨床試験によって確認されています。

関節症、関節炎に関しては、79~97年の間、合計2万2000人以上の被験者を対象にして行われた20以上の臨床試験おいて、サム・イー(SAMe)の効果が示されています。

その他、多くの臨床試験よって、アルコール性あるいは薬剤性肝障害、繊維筋痛症などに対するサム・イー(SAMe)の効果が報告されています。

サム・イー(SAMe)の摂取方法

うつ病に対しては、1日当たり400~1600mgが投与されます。
臨床試験では1600mg投与することが多い。

関節炎・関節リウマチでは、600mgを3回に分けて摂取します。

アルコール性肝障害や肝硬変には、1200~1600mgを摂取します。

繊維筋痛症は、800mgを摂取します。

サム・イー(SAMe)の注意する点

基礎研究および人を対象とした臨床試験では、特に問題となる健康被害や副作用は報告されていません。

2万2000人以上を対象とした臨床試験では、数日から2年間の間でサム・イー(SAMe)が投与され、安全性についての問題は確認されませんでした。

なお、過剰用量を摂取した場合、頭痛や消化器症状などを認めることがあります。

他のサプリメントや医薬品との相互作用は確認されておらず、併用は問題ないものと考えられます。

ただし、作用メカニズムの類似した医薬品やサプリメントの併用には、念のため注意する必要があるでしょう。