マイタケ
舞茸(マイタケ)は、サルノコシカケ科に属する食用キノコで傘を持たず、波状のひだを折り重ねたような姿が特徴です。
マイタケの名前は、その姿が鳥が舞うように見えることから「舞う茸」と呼ばれたのが始まりとされています。
サルノコシカケ科のキノコは非常に堅く、食用には適しませんが、マイタケはやわらかくて味や香りも良いことから古くから食用にも薬用にも用いられ、上薬として評価されて「キノコの王様」として珍重されてきました。
マイタケは近年の研究で、肝臓病や糖尿病、肥満や高血圧などの様々な生活習慣病に効果があることが確認されています。
一方、1980年代後半から、βグルカンなどの多糖類を含んだマイタケエキスに抗がん効果や免疫賦活作用があることが確認され、エイズや乳がん、肺がん、肝臓がんなどに利用されています。
また、マイタケエキスと化学療法剤を組み合わせることで相乗効果を期待したり、抗がん剤の投与量を減らして副作用を抑えるなど、患者のQOL(クオリティオブライフ)の向上にも役立っています。
マイタケの有効成分の代表は、多糖類のβグルカンです。1,3あるいは1,6-グルカンのほか、αグルカンも存在します。
また、ビタミンDの前駆体であるエルゴステロールや、リン脂質なども含まれています。
有効成分には、免疫担当細胞であるマクロファージやNK(ナチュラルキラー)細胞、Tリンパ球などの免疫機能を高める効果があります。
さらに、食後過血糖を改善する成分などもあり、糖尿病への効果も期待されています。
動物実験では、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満の改善効果、免疫賦活作用、抗菌効果などが確認されています。
マイタケの効能効果
がんの予防や治療効果、糖尿病、高脂血症、高血圧、肥満などのさまざまな生活習慣病の予防や改善、免疫賦活作用、抗菌作用など。
マイタケの効能効果根拠
動物実験など基礎研究において、マイタケの抗がん作用が数多く確認されています。
たとえば、1,6-βグルカンなどマイタケ抽出成分の腫瘍組織に対する効果を検証した研究では、マクロファージ、NK細胞、キラーTリンパ球が活性化され、腫瘍細胞を攻撃することが確認されました。
このとき、リンフォカインやインターロイキン1などが放出されることも確認されています。
2002年に報告された論文では、マイタケをがん患者に投与したそれまでの研究報告をまとめ、その抗がん作用が検証されています。
対象となった、ステージII~IVのがんと診断された22歳から56歳の患者に、マイタケを投与した結果、がん組織の縮小や症状の改善が認められたのは、肝ガン患者の58.3%、乳ガン患者の68.8%、肺ガン患者の62.5%でした。
一方、白血病や胃ガン、脳腫瘍に対しては10~20%程度の改善率でした。
また、マイタケをがんの化学療法と併用した場合、化学療法単独に比べて免疫応答細胞の活性が1.2~1.4倍に高まることも確認されています。
マイタケの成分が、抗糖尿病効果を持つことが基礎研究で確認されています。
まず、糖尿病の実験動物にマイタケを投与すると、耐糖能が改善しました。
別の研究では、マイタケの成分がαグルコシダーゼという酵素を阻害し、食後過血糖を改善することが報告されています。
また、マイタケのコレステロール低下作用も確認されています。
マイタケの摂取方法
生活習慣病の予防や改善を目的とする場合は、一般に、短期間では効果が期待できないので、継続して利用します。
マイタケの注意する点
通常の食材に由来する成分であり、問題となる健康被害や副作用は報告されていない。
他のサプリメントや医薬品との相互作用は確認されておらず、併用は問題ないと考えられます。