白インゲン豆抽出物

白インゲン豆には、膵臓から分泌される「炭水化物分解酵素」の働きを阻害する成分が含まれています。
白インゲン豆抽出物によって、食物中の糖質、炭水化物の分解・吸収を抑制することで、糖尿病や肥満に対する効果を発揮します。

食事に含まれるデンプン質やグリコーゲンといった糖質・炭水化物は、消化管において、膵臓から分泌されるαアミラーゼという炭水化物分解酵素の働きによって、マルトース(麦芽糖)などの二糖類に分解されます。

さらに、二糖類は、αグルコシダーゼという炭水化物分解酵素の作用によってブドウ糖に分解され吸収されます。

白インゲン豆抽出物は、このうち、αアミラーゼの働きを抑えることで、消化管から血液中へのブドウ糖の吸収を緩やかにします。
 
健常者では、食事中の炭水化物が吸収されて血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上がるのに応じ、膵臓からインスリンが必要量だけ瞬時に分泌されます。
しかし、糖尿病の人では、インスリンがゆっくりとしか分泌されないため、血液中のブドウ糖が処理できず、食後に血糖値が急激に上昇します。
 
白インゲン豆抽出物を食前に摂取することで、αアミラーゼの活性を阻害し、食後過血糖が抑制されます。
血糖上昇が抑えられれば、インスリンの分泌量が少なくなり、脂肪蓄積を予防することが出来ます。

白インゲン豆抽出物の効能効果

  • 脂質異常症(高中性脂肪脂血症)の改善作用、抗肥満作用、糖尿病での血糖コントロールの改善(食後過血糖改善)作用など。


白インゲン豆抽出物の効能効果根拠

1985年に報告された基礎研究では、白インゲン豆由来の成分が、人のαアミラーゼ活性を用量依存性に阻害することが確認されています。

具体的には、酵素阻害成分を2.0~5.0㎎/mlの濃度にて1分間あたり5mlの速度で投与すると、αアミラーゼ活性が94.0~99.9%以上、阻害されたといいいます。

また、この効果については、胃液の影響を受けることなく、十二支腸内で作用することが確認されています。

1986年に報告された臨床試験では、健常者と糖尿病患者を対象にして、50gのデンプン質を摂取させた際の効果が検討されました。

この結果、白インゲン豆抽出物を摂取した群では、対照群よりも、食後の過血糖とインスリン分泌が有意に抑えられたと報告されています。

また、2004年に報告された臨床試験では、肥満者を対象にして白インゲン豆抽出物を投与した結果、体重の減少と血中中性脂肪値の低下(改善)が確認されたということです。

白インゲン豆抽出物の摂取方法

目安量にしたがって、食前に摂取します。
なお、「白インゲン豆抽出物」を成分として、製品化されている「ファビノール」や「ファセオラミン」など、さまざまな商標の製品が入手できます。

有効成分であるαアミラーゼの含有量を目安に選択すると良いでしょう。
 
ただし、肥満や糖尿病では、適切な食事療法が基本です。

白インゲン豆抽出物の注意する点

通常の食材に由来する成分であり、特に問題となる健康被害や副作用は報告されていない。
ただし、糖尿病患者が使用する場合には、まず、主治医に相談しましょう。

特に、何らかの糖尿病治療薬を既に使用している人では、血糖降下作用に関して相互作用も考えられるので、念のため注意が必要です。




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