桑の葉

昔から中国や日本では、桑の葉を煎じて糖尿病の治療に利用してきました。

クワの葉

最近の研究によって、桑の葉に含まれるDNJという成分には食後に上昇する血糖を抑える働きがあることが確認されています。
DNJというのは1-デオキシノジリマイシンの略称であり、糖質分解酵素の働きを阻害することで食後過血糖を改善します。

そこで、DNJを多く含む桑の葉エキスが、糖尿病の改善に役立つとして注目されています。

食事に含まれる糖質・炭水化物は、小腸においてαグルコシダーゼという酵素の働きによりブドウ糖に分解され吸収されます。

桑の葉エキスのDNJは、このαグルコシダーゼの働きを抑制することで、小腸から血液中へのブドウ糖の吸収を緩やかにします。

健常者では、食事中の糖質が吸収されて血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上がるのに応じ、膵臓からインスリンが必要な量だけ瞬時に分泌されます。
しかし、糖尿病の人ではインスリンがゆっくりとしか分泌されないため、血液中のブドウ糖が処理されず、食後に血糖値が急激に上昇してしまいます。

桑の葉の効能効果

糖尿病や肥満の予防および改善、糖尿病における食後過血糖の改善など。



桑の葉の効能効果根拠

糖尿病のモデルマウスを用いた実験では、DNJ投与群のほうが、対照群よりも血糖値の低下割合が大きくなる傾向が確認されました。

また、10人の糖尿病患者にDNJを投与した臨床試験では、対照群に比べてDNJ投与群では食後血糖値の上昇が有意に抑制されたという報告がされています。

桑の葉の摂取方法

糖尿病や肥満に対しては、生活習慣の改善が大切です。
ライフスタイルを見直した上で桑の葉エキスを利用しましょう。
 
桑の葉エキスは糖質の吸収を遅らせる効果があるため、食事の前に摂取します。

一般に、短期間では効果が期待できないので、継続して利用すると良いでしょう。

桑の葉の注意する点

腹部膨満感(おなかが張った感じ)や、おならが出やすくなるなどの胃腸症状が認められることがあります。
これは、小腸で分解されなかった糖質が大腸に運ばれ、大腸の腸内細菌によって分解されてガスが発生するためです。
多くの場合、1カ月ほどでガスの発生が減少し症状は収まります。

一般に、特に問題となる健康被害や副作用は認められていません。
また、他のサプリメントや医薬品との相互作用は報告されておらず、併用は問題ないと考えられます。
 
ただし、糖尿病薬としてαグルコシダーゼ阻害薬が利用されており、桑の葉エキスも同じ働きがあるため、併用すると相加作用が生じる可能性があります。

糖尿病で治療中の場合、桑の葉エキスの改善効果によって、医薬品の必要量が変化することも考えられます。
何らかの医薬品を使用している場合、まず主治医に相談しましょう。




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