レッドクローバー
レッドクローバーは、女性ホルモン様の働きをするイソフラボン類を含み、女性特有の症状を改善するハーブとして注目されています。

和名はアカツメクサといい、赤紫色の花をつけます。
日本でよくみられるクローバーは、白い花を咲かせるシロツメクサです。
有効成分は、ダイゼインやゲニステインといったイソフラボン類、クマリン誘導体、揮発油などです。
特に、イソフラボン類による作用が注目されています。
イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲン様の作用をもち、女性特有のさまざまな症状の緩和に有用と考えられます。
女性では、加齢によってエストロゲンが減少したりストレスによってホルモンバランスが不安定になったりして、生理不順や月経前緊張症、更年期障害などさまざまな症状が現れます。
これらの症状の改善に、植物性エストロゲンであるイソフラボン類の作用が期待されています。
レッドクローバーの効能効果
更年期障害に伴う症状の予防や改善など。
レッドクローバーの効能効果根拠
レッドクローバーの効果を検証した臨床試験がいくつか報告されています。
たとえば、2001年にオーストラリアの病院から発表された研究では、46人の閉経後の女性に対してレッドクローバー由来のイソフラボンが6カ月間投与された結果、HDL(善玉)コレステロール値の上昇、アポリポプロテインBの減少が認められ、脂質代謝を改善することが示されました。
また、骨密度も増加しており、骨粗鬆症に対する効果も示唆されています。
しかし、効果が明らかでないとする臨床試験もあります。
たとえば、ある研究では、更年期障害の症状の1つである「ほてり」に対して、51人の女性に40mgのレッドクローバーを投与したが、有意な効果は認められていません。
また、閉経後の女性37人に対して40~160mgのレッドクローバーを12週間投与したところ、「ほてり」の症状は減少したが、プラセボ(偽薬)群と有意な差は認められませんでした。
臨床研究の中には、投与期間が短か過ぎたり対象人数が少な過ぎたりして有意な結果が認められないケースも考えられます。
長期投与における効果と安全性を明らかにするために、さらなる研究が必要と考えられます。
レッドクローバーの摂取方法
臨床試験では、1日あたり40~160mgが利用されています。
レッドクローバーの注意する点
一般に、特に問題となる健康被害や副作用は知られていません。
ただし、エストロゲン様作用をもつサプリメントと併用する際には、症状の変化に注意し、異常が認められたら医師に相談しましょう。(婦人科系疾患の)医薬品(たとえばホルモン剤や抗ガン剤)を服用している場合には、まず医師に相談すること。