肝油エキス
肝油エキスは、通常深海サメの肝臓から採取され、スクワレンやアルコキシグリセロールなどの有効成分が含まれています。
スカンジナビアでは40年以上にわたり、皮膚疾患やガンなどに利用されてきました。
近年では、慢性肝炎に効果があったという臨床例も報告されています。
深海サメの肝臓は、体重の25%ほども占めるといいます。
深海サメ肝油エキスの有効成分は、スクワレンやアルコキシグリセロール、ビタミンAやD、各種の脂肪酸などです。
これまでに、50種類以上の脂肪酸が特定されています。
有効成分の1つであるアルキルグリセロール類は、血小板活性化因子の生成を促進します。
また、白血球の1つで免疫系に関与するマクロファージを活性化することにより、免疫力を高める作用が確認されています。
さらに、アルコキシグリセロールは、白血球や血小板を増加させる作用をもち、これらの作用のため、肝油エキスが、ガンの放射線治療に併用されてきました。
基礎研究では、深海サメ肝油成分が、腎臓ガンや膀胱ガンなどにおける血管新生を阻害することが確認されています。
スクワレンは、保湿作用など皮膚を保護する作用があり、ヒトの皮膚に浸透する機能が確認されています。
スクワレンは、サプリメントだけではなく、化粧品の成分にも利用されています。
肝油エキスの効能効果
慢性肝炎を改善し肝臓を保護する効果、免疫力を高める作用、ガンに対する放射線治療に伴う副作用の軽減など。
肝油エキスの効能効果根拠
デンマークから報告された研究では、子宮ガン患者での放射線治療による副作用(放射線障害)がアルコキシグリセロールにより軽減したと報告されています。
基礎研究では、ガン細胞における血管新生が阻害されることから、肝油成分の抗ガン作用が示唆されます。
しかし、ガン患者を対象にした臨床試験では、明らかな有効性は示されませんでした。
日本での報告では、B型およびC型慢性肝炎患者に深海サメ肝油エキスを投与したところ、自覚症状や肝機能指標における改善効果が確認されたといいます。
肝油エキスの摂取方法
特に決まった摂取量はありません。
一般に、有効成分のもつ抗酸化作用などによって生活習慣病の予防や改善を目的とする場合、短期間では効果が期待できないので、継続して利用することが必要です。
肝油エキスの注意する点
安全性の高い成分であり、問題となる健康被害や副作用は報告れていません。
他のサプリメントや医薬品との相互作用も報告されておらず、併用は問題ないと考えられます。
ただし、ガンをはじめとする生活習慣病や肝臓疾患などで治療中の場合、念のため主治医に相談の上、使用すると良いでしょう。
また、因果関係は明らかではないが、肝油エキス使用中に肺炎の一種を生じた症例があるので、念のため注意しましょう。
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