にんにく

ニンニクは、昔から滋養強壮に効果があるとして、世界中で利用されてきました。

にんにく

欧米では、ハーブサプリメントとして分類され、高脂血症や高血圧症に対する効果が確認されています。

また、ガンなど生活習慣病にも効果が期待できます。
現在では、ニンニクの匂いを抑えたサプリメントが入手できるようになりました。

有効成分として、アリインやアリシンが知られています。
アリシンは、ニンニク臭に関係するイオウ化合物で、アリインが変化してできます。

抗酸化作用や抗菌作用、コレステロール合成阻害作用が確認されています。

その他、LDL(悪玉)コレステロールの酸化抑制作用や抗凝固作用もあります。

にんにくの効能効果

高血圧症や動脈硬化の予防と改善、抗ガン作用、コレステロール低下作用など。



にんにくの効能効果根拠

ヨーロッパの医療現場では、抗血栓薬および抗アテローム性動脈硬化薬として使用されています。

WHOでは、臨床データに裏付けされたニンニクの適応症として脂質異常症(高脂血症)の治療とアテローム性動脈硬化の血管変性の予防を挙げています。

脂質異常症(高脂血症)に対するニンニクの効果を検証した研究では、45の臨床試験の結果がまとめられています。

ニンニクを4~25週間投与することで、総コレステロール値が4~12%低下し、LDLコレステロールも改善(低下)傾向にありました。
ただし、HDL(善玉)コレステロールを上昇(改善)させる作用は明らかではありません。
 
たとえば、42人の外来患者を対象に、1日あたり900mgのニンニクサプリメントを12週間投与した研究では、総コレステロールが262(mg/dl)から247へ低下したといいます。
 
高血圧症に関して、3つの臨床試験によって効果が確認されています。プラセボ(偽薬)群に比べて、ニンニク投与群では拡張期(最小)血圧が2~7%低下、収縮期(最大)血圧が3%低下しました。
 
ある臨床試験では、12週間のニンニクサプリメント投与によって、収縮期血圧が171(mmHg)から152へ、拡張期血圧が102から91へと低下しました。
また、総コレステロール値も、268(mg/dl)から230へと改善がみられました。
 
動脈硬化の予防効果を検証した研究では、280人を対象にして、ニンニクを4年間投与した結果、動脈硬化の進行が抑えられたというデータが報告されています。
 
疫学調査では、ニンニクの摂取が多いと、消化管のガンの発生が抑えられるという結果が知られています。
また、18の研究をまとめた報告によると、ニンニクは特に大腸ガンの予防に効果があるとされています。
 
その他、血小板凝集抑制作用や抗真菌作用が示されています。

にんにくの摂取方法

特に決まった摂取量はありません。
ニンニク抽出物として、600~7200mgまで臨床報告があります。

有効成分のもつ抗酸化作用などによって生活習慣病の予防や改善を目的とする場合、短期間では効果が期待できないので、継続して利用する必要があります。

にんにくの注意する点

通常の食材に由来する成分であり、一般的には特に問題となる健康被害や副作用は知られていません。
 
ただし、抗凝固作用をもつため、大量に摂取する場合や何らかの医薬品を服用中の場合には、念のため注意が必要です。

WHOでは「ワーファリン療法を受けている患者では、にんにくのサプリメントとの併用によって出血時間を延長させる可能性がある」と警告しています。

これはにんにくの血小板凝集阻害作用により抗血栓薬の効果が強く出るためとされ、大量のにんにくの摂取には注意が必要です。



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