ロディオラロゼア
ロディオラロゼアとは、アジアから欧州、北米にかけての高地に見られるハーブであり、古代ギリシャの時代から利用されてきました。
特に、ロシアやグルジアでは伝統医療の中で用いられています。
1960年代、旧ソ連邦において薬理効果が研究された結果、運動能力や脳の高次機能を向上させる作用が明らかとなりました。
現在、ロディオラロゼアによる抗ストレス作用や抗疲労作用、抗うつ作用、認知機能の改善作用などが注目され、米国中心に研究が進められています。
有効成分として、各種のアルカロイド類、ポリフェノール類、フェニルプロパノイド類などが存在します。
ロディオラロゼアに特有の成分として、ロサビン、ロシン、ロサリンなどがあります。
基礎研究では、寒冷刺激や放射線障害といったストレスから防御効果、疲労の軽減作用、学習や記憶といった能力の改善作用が示されてきました。
また、心臓の虚血障害に伴う不整脈の改善や心筋の保護作用なども認められます。
これらは、内在性オピオイド類を介した作用と考えられます。
その他、脳内のドーパミンやセロトニンへの影響も示されてきました。
さらに、ロディオラロゼアには、抗酸化作用をもつ物質が19種類見出されています。
ロディオラロゼアの効能効果
抗ストレス作用、抗疲労作用、滋養強壮作用、脳の高次機能・認知機能の改善作用、抗うつ作用、抗酸化作用、免疫賦活作用、不妊症の改善作用など。
ロディオラロゼアの効能効果根拠
臨床試験によってロディオラロゼアの効果が示されてきました。
例えば、27人の学生・医師・研究者が被験者になり、脳の高次機能に対する作用を検証した研究では、対照群に比べて、ロディオラロゼア摂取群では、文章構成能力の維持が認められました。
さらに、ストレス存在下における疲労感、注意力、記憶力といった高次機能への影響を検証した複数の臨床試験において、ロディオラの抗ストレス作用、抗疲労作用が認められました。
50人の医師を対象にした試験では、夜勤勤務における疲労感や認知機能を検証した結果、2週間のロディオラ投与による改善が示されました。
その他、128人のうつ病患者を対象にした臨床試験において、ロディオラロゼアの抗うつ作用が報告されています。
ロディオラロゼアの摂取方法
米国での用法は、次のようである。
健常者が身体能力や高次機能の向上に用いる場合には、1日当たり50~400mgを食前(朝食と昼食の前)に摂取します。
また、抗うつ作用を得るためには300~900mgを摂取します。
ただし、高齢者などでは25~50mgから開始します。
いずれも、少なめから開始し、3~14日ごとに漸増すると良いでしょう。
ロディオラロゼアの注意する点
基礎研究及びヒトを対象にした臨床試験では、特に問題となる健康被害や副作用は報告されていません。
稀に、消化器症状を認める場合があります。
他のサプリメントや医薬品との相互作用は報告されておらず、併用は問題ないと考えられます。
ただし、作用機序の類似したサプリメントとの併用には、念のため注意しましょう。