ナットウキナーゼ

納豆には血栓を溶かす酵素であるナットウキナーゼが存在しています。
納豆には、骨代謝に関与し骨粗しょう症予防に効果があるビタミンK2(メナキノン)や、抗菌効果を持つジピコリン酸が含まれています。

また、ナットウキナーゼのサプリメントは、脳梗塞を予防するとして利用されています。

1980年代、納豆に強力な血栓溶解酵素が発見され「ナットウキナーゼ」と名づけられました。

病院で使用される代表的な血栓溶解剤にウロキナーゼという医薬品があります。
ウロキナーゼは、血液の凝固塊が血管を塞ぐことで発症する脳血栓症や抹消動静脈血栓症の治療に用いられていますが、ナットウキナーゼを含む納豆1パック(50g)には、ウロキナーゼに匹敵する効果があると言われています。

浜松医科大の発表によると、ナットウキナーゼは、ラット大腿動脈において、血管内皮障害後に起こる内膜肥厚を抑制し、血栓溶解に影響を与えたと報告されています。

ナットウキナーゼの効能効果

血栓溶解作用、脳梗塞・脳血栓症予防作用、血小板凝固抑制作用、血液流動性改善効果など。



ナットウキナーゼ効能効果根拠

一般的にはタンパク質である酵素を食べても、胃酸によって酵素活性を失ったり消化液によって分解されるため、これらの酵素の効果を得ることは難しいといわれている。

ナットウキナーゼは、ウロキナーゼなど他の血栓溶解酵素と比べて分子量が小さく、一本鎖構造のポリペプチドであるが、そのままで吸収されるほどには小さくなく、タンパク分解酵素の働きによってある程度の大きさのペプチド断片まで分解される。

そのペプチドの中に、血栓溶解活性をもつペプチドがあると考えられています。
ナットウキナーゼが腸管から吸収されて血液中に検出されたという基礎研究データもあります。

このため、ナットウキナーゼは、タンパク質であるにも関わらず、経口摂取でも血栓溶解酵素としての効力を発揮すると考えられます。

ナットウキナーゼを経口摂取すると、短い場合でも4時間、長い場合には8~12時間ほど作用します。

実験的に形成された血栓が、ナットウキナーゼの経口摂取によって溶解することも確認されています。

さらに、人を用いた研究で、真性グロブリン分解時間の短縮や真性グロブリン線溶活性の上昇などが確認され、血栓溶解活性が増強されることが認められています。

例の一つとして、成人男性13人を対象にした研究で、ナットウキナーゼを経口摂取することによって、血液流動性の改善が確認されています。

血栓溶解作用に対する試験

・試験デザイン:オープン・ラベル試験

  • 対象:健康な成人男女
  • 人数:7人(男性6人、女性1人)
  • 投与量:ナットウキナーゼ3900mg/日を8日間投与。
  • 結果:カプセル摂取後毎日午前10時に採血し、血液中のEFA(フィブリン分解活性)、FDP(血栓分解産物)量およびTPA(プロウロキナーゼアクティベーター)量を測定した結果、EFA、FDP、TPAの上昇が確認されました。

ナットウキナーゼの摂取方法

ナットウキナーゼは、酸性の強い胃酸の中では活性を失いやすくなるため、摂取するときは、空腹時を避け、食事と一緒に摂るとにより効果を高めることができます。

脳血栓症や脳梗塞は夜間就寝中に生じやすいため、朝食時にまとめて摂るのではなく、夕食後にも摂るようにするとさらに効果的です。

ナットウキナーゼの注意する点

通常の食材に由来する成分であり、特に問題となる健康被害や副作用は報告されていません。

ただし、納豆やビタミンKを含む食品は、抗凝固剤であるワーファリン(ワルファリン)との併用に注意する必要があります。

ビタミンKを取り除いているサプリメントもあるが、ワーファリン系の医薬品を服用中の人は、念のため、主治医に相談の上、利用すると良いでしょう。



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