テアニン

テアニンとは、緑茶に含まれるアミノ酸の一種であり、興奮を鎮め緊張をやわらげる効果をもっています。

近年、緑茶のカテキン類による抗ガン効果が注目されています。
カテキン類は緑茶だけでなく紅茶などにも含まれますが、テアニンは緑茶に豊富に含有されています。

なお、緑茶の苦味や渋味はカテキン類で、うまみや甘味がテアニンによります。

緑茶の種類や採取時期によって、テアニンカテキンの含有量に違いがでます。

玉露と抹茶は覆いをされ日陰で育つのに対し、煎茶は日に照らされて栽培されます。テアニンは、日光に当たるとカテキン類の生成の過程で消費されてしまうため、栽培方法の違いがテアニンの含有量の差をもたらします。
 
テアニンは、特に新芽に含まれる量が多く、また玉露や抹茶などいわゆる高級茶におけるうまみの主成分です。

テアニンは、うまみ成分として知られるグルタミン酸と化学構造が似ているアミノ酸の一種です。
一般に、高級な緑茶ほどテアニン含有量が多く、リラックス効果が得られます。
 
ラットを使った基礎研究では、テアニンを摂取すると記憶力や学習能力が高まることも確認されています。

これは、摂取したテアニンが脳血液関門を通過し脳内に入り、神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの濃度を変化させるためと推測されます。
 
さらに、動物実験では、テアニンが虚血による脳神経細胞の障害を軽減し、神経細胞を保護することも確認されています。

テアニンの効能効果

  • 脳神経細胞の保護作用、抗ガン剤の作用増強、リラクセーション(リラックス)効果、月経前症候群の改善効果など。


テアニンの効能効果根拠

テアニンは、副交感神経の働きを優位にし脳波ではアルファ波を増加させます。

アルファ波の出現頻度を調べることで、テアニンのリラクセーション効果を検証した実験によると、50mgのテアニンを摂取して、40~50分ほど後にアルファ波が増加していたといいます。
テアニンの濃度が高いほどアルファ波が強く現れることから、リラックス効果はテアニンの量に依存すると考えられます。
 
また、テアニンは、ある種類の抗ガン剤の働きを増強することも確認されています。

緑茶の抗ガン作用としては、カテキンの働きがよく知られていますが、テアニン自体には抗ガン作用はなく、テアニンの抗ガン剤作用増強効果については、基礎研究によってメカニズムが明らかにされつつあります。

リラックス作用に対する試験

・試験デザイン:全試験者を投与群とするオープン・ラベル試験

  • 対象:18~22歳の女性
  • 人数:8人
  • 投与量:各人に対し、コントロールとして水、試験サンプルとしてL-テアニン50mg含有水100ml、またはL‐テアニン200mg含有水100mlを投与
  • 投与方法:第1回目水(コントロール)、第2回目テアニン50mg、第3回目テアニン200mgの順で週に1度、同じ曜日の同時刻に実施し、これを2回反復した。
  • 結果:L‐テアニン200mg含有水の服用で、後頭部・頭頂部にα波の出現が認められました。
    L-テアニン服用後、被験者は眠気を感じず、十分なリラックスを感じた。

月経前症候群(PMS)に対する試験

・試験デザイン:プラセボを対照としたクロスオーバー一重盲検試験

  • 対象:24~49歳の女性
  • 人数:17人
  • 投与量:テアニン200mg/日17人、プラセボ(偽薬)群17人との比較
    月経3周期の排卵日から月経開始日までの2週間
  • 結果:月経3週期にわたりMDQおよびPMSメモリーの記録、基礎体温の測定を行った結果してテアニン摂取群のPMS諸症状の改善が認められた。

テアニンの摂取方法

緑茶には、中枢神経系を刺激し覚醒作用や興奮作用を示すカフェインも含まれているため、テアニンだけを効率よく摂る方法として、サプリメントという選択肢があります。

テアニンの注意する点

通常の食材に由来する成分であり、問題となる健康被害や副作用は報告されていません。

他のサプリメントや医薬品との相互作用も報告されておらず、併用は問題ないでしょう。

基礎実験においてテアニンはカフェインなどの興奮作用を抑制する働きが認められています。




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