γ-リノレン酸(ガンマリノレン酸)

γ-リノレン酸(GLA)は、必須脂肪酸の1つであり、月見草やボラージオイル、ブラックカレントオイルなどに含有されています。

アトピー性皮膚炎や関節リウマチなどに対する効果が報告され、注目されています。

γ-リノレン酸は、代謝されて抗炎症物質であるプロスタグランディンE1の前駆体となります。
これが関節リウマチに対する効果を発揮すると考えられています。

また、他のプロスタグランディンや、インターロイキン、ロイコトリエンといった分子への作用も確認されています。

γ-リノレン酸の効能効果

アトピー性皮膚炎の症状改善、関節リウマチの改善、糖尿病性神経障害の改善など。

γ-リノレン酸効能効果根拠

アトピー性皮膚炎に対する効果を検証した臨床試験では、γ-リノレン酸を投与することで症状の改善が確認されています。

たとえば、9つの臨床試験を検討したメタ分析や、25人の患者に投与した臨床試験、17人の小児と15人の成人に3週間投与した試験など、多くのデータが有効性を示しました。

糖尿病性神経障害に関して、111人の患者を対象に1年間実施された研究では、γ-リノレン酸による神経障害指標の改善が示された。
また、22人の患者に6カ月間γ-リノレン酸を投与した二重盲検試験でも、同様の改善効果が報告されています。

関節リウマチに関して、49人の患者を対象にした研究や、37人の患者に24週間投与した臨床試験では、γ-リノレン酸摂取グループにおいて痛みの軽減や客観的な指標の改善などが認められており、γ-リノレン酸の有効性が確認されています。

その他、γ-リノレン酸が中性脂肪を低下させHDL(善玉)コレステロールを上昇させるというデータや、γ-リノレン酸の血中濃度が高いと萎縮性胃炎が少ないという疫学調査もあります。

ただし、月経前症候群や更年期障害への効果を検証した臨床試験では、γ-リノレン酸のはっきりとした有効性は確認されていません。

γ-リノレン酸の摂取方法

臨床試験では、アトピー性皮膚炎に対しては1日あたり360~600mg程度、関節リウマチに対しては1.1g程度、糖尿病性神経障害に対しては360~480mg程度、高脂血症に対しては1.5~6g程度利用されています。

なお、ビタミンEやDHAと併用した臨床試験も多くあります。
一般に、短期間では効果が期待できないので、継続して利用します。
1年間摂取して効果を判定した臨床試験もあります。

γ-リノレン酸の注意する点

稀に、悪心や嘔吐といった消化器症状が認められることがありますが、一般には安全性の高い成分であり、問題となる健康被害や副作用は確認されていません。

他のサプリメントや医薬品との相互作用は報告されておらず、併用は問題ないと考えられます。

なお、γ-リノレン酸が、痙攣発作を生じる可能性があるという解説、症例報告もあるが、現在のところ、γ-リノレン酸との因果関係は否定的です。