脂肪酸の種類と特徴

脂肪酸とは、脂質を構成する主成分です。

脂肪(中性脂肪)の構成成分である脂肪酸には、炭素数や結合の仕方もいくつかのタイプがあり、体内での働きも異なります。

脂肪の特性は、どのような脂肪酸で構成されているかによって大きく変わってきます。

脂肪酸は、炭素と水素が手を組んで1本の鎖上に連なった片端にカルボキシル基が結合した構造となっています。

炭素数は偶数で、天然油脂では炭素数14以上のものが多く、なかでも16と18のものが多い特長をもっています。

脂肪酸の分類

脂肪酸を二つに大別すると、構造的な特徴から、飽和脂肪酸と、不飽和脂肪酸に分けられます。

鎖上につながった炭素にすべて水素が結合しているのが、飽和脂肪酸です。

一方、不飽和脂肪酸には、炭素と水素が結びつかずに炭素同士が二重結合している部分を持っています。

また、二重結合結合が1個のものを一価不飽和脂肪酸、2個以上のものを多価不飽和脂肪酸と呼びます。

さらに、多価不飽和脂肪酸のうち、炭素鎖の何番目が二重結合しているかによって、n-3系、n-6系などに分類されます。

つまり、これは炭素原子のn末端から何番目に最初の二重結合があるかで系列が決まり、例えば、α-リノレン酸は3番目なのでn-3系列、リノール酸は6番目にあるのでn-6系列となります。

この系列によって性質や栄養的価値が大きく異なります。

必須脂肪酸

健康維持や成長のために不可欠な脂肪酸のうち、体内で合成することができない脂肪酸を必須脂肪酸といいます。

多価不飽和脂肪酸のリノール酸、αリノレン酸 、アラキドン酸の3つがこれに当たり、食べ物から摂取する必要があります。

必須脂肪酸は、細胞膜を構成するリン脂質の成分として、細胞内外の物質透過などの機能の維持に関わっており、不足すると、皮膚に異常が現れたり、感染症などにかかりやすくなります。

また、必須脂肪酸は、リポタンパク質の構成成分として、血中脂質の運搬にも関わっており、コレステロールの血管への沈着、高脂血症の抑制に効果があるといわれています。