ビタミンKの上手な摂り方

ビタミンKは、微生物によって合成されるので、発酵食品の納豆に特に多く含有されています。

また、植物の葉緑素でも合成されることから、緑黄色野菜や海藻類にも豊富に含有されています。

ビタミンKは、脂溶性ビタミンなので、油脂と一緒に摂ると吸収率が高まります。

熱にも比較的安定しています。

納豆や緑黄色、海藻類などを十分に食べていれば、ビタミンKの不足になることはないでしょう。

ビタミンKの摂取が欠乏すると

ビタミンKが不足すると血が止まりにくくなる

血液を凝固させる作用が低下するため、鼻血が出やすくなったり、歯ぐきから出血しやすくなったり、ケガをしたときなどに出血が止まりにくくなります。

その他、内出血によるあざができやすく、さらに治りにくくなります。
また、骨が弱くなり、骨折などのリスクを高めます。

ビタミンKを過剰摂取すると

貧血や血圧低下が起こることも

普段の食生活でビタミンKを取り過ぎることはほとんどなく、過剰症の心配は少ないでしょう。
ごくまれに貧血や血圧低下などの副作用が現れることがあります。

血液の凝固が原因となる病気にかかっていて、血行促進作用のあるワーファリン等の薬を飲んでいる人は、ビタミンKの摂取量に注意が必要です。


ビタミンKを多く含む食品

1食当たりの目安量含有量(μg)
野菜あしたば 50g250
つるぬらさき 50g175
かぶの葉 50g170
トウミョウ 30g96
おかひじき 50g155
春菊 2株 60g150
ほうれん草 1/2束 50g135
大根の葉 50g135
豆製品納豆 1/2パック 50g435


ビタミンKの1日摂取基準

年齢(歳)目標量(μg)
0~5(月)44
6~11(月)77
1~2(歳)2525
3~5(歳)3030
6~7(歳)4040
8~9(歳)4545
10~11(歳)5555
12~14(歳)7065
15~17(歳)8060
18~29(歳)7560
30~49(歳)7565
50~69(歳)7565
70以上(歳)7565


ビタミンK2シロップ

ビタミンKの種類には、緑黄色野菜に含まれるビタミンK1と、納豆などの発酵食品に含まれるビタミンK2があります。

ビタミンK2は腸内細菌によっても合成されますが、腸内細菌が少ない新生児には、欠乏症を予防するために出産の数日後にビタミンK2のシロップを飲ませます。

母乳にはビタミンKが少ないので、1ヶ月検診時に飲ませることもあります。

新生児の頭蓋内出血防止

ビタミンKシロップ服用前の新生児出血症を防ぐには、妊娠後期に母親がビタミンKを十分に摂ることが重要です。


ビタミンKと一緒に摂取したい栄養素&とり方

ビタミンK+脂質 ビタミンKの吸収が高まり、出血を止めやすくする

ビタミンKは脂溶性で、脂質と合わせると吸収が高まります。
出血を止める作用があるので、歯ぐきからの出血などに効果的です。

また、潰瘍などで傷ついた胃の止血作用もあり、キャベツに豊富で胃の粘膜を守るビタミンUと合わせると、胃腸の働きを回復してくれます。

  • 脂質の豊富な食品
    肉類、魚介類、バター、植物油など

肉

ビタミンK+ビタミンD ダブル効果で骨量が安定し、骨粗しょう症を防ぐ

ビタミンDは、血液中のカルシウムが減ると骨からカルシウムを配給し、逆にビタミンKは、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きがあります。

互いに影響し合って骨量のバランスを保っているため、合わせてとることで骨粗しょう症の予防につながります。

  • ビタミンDの豊富な食品
    サケ、しらす、干しシイタケ、きくらげなど

サケ


ビタミンKを上手に摂るための調理や食事の工夫

加熱してもOK。アルコールとは一緒とらない

ビタミンKは熱に強いので、加熱調理しても大丈夫です。
特に野菜は、加熱するとかさが減り、量をたくさん食べられます。
炒め物にしたり、鍋物の具材に使っても良いでしょう。

ただしビタミンKは、アルコールと合わせて取ると壊れやすいため、お酒のつまみには不向きです。

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