ビタミンB1

ビタミンB1(サイアミン)は、昭和初期に脚気が流行した際、農芸化学者の鈴木梅太郎によって米ぬかから発見されました。

ご飯やパンなどの糖質が分解され、エネルギーに変わるときには酵素が働きます。
ビタミンB1は、体内で糖質がエネルギーに変わるときに必要な補酵素として大切なな働きをしています。

米ぬか

糖質をしっかりと分解して十分なエネルギーをつくり、体を元気にし、体内に乳酸などの疲労物質が溜まるのを防ぎます。

さらに、糖質は脳や神経系のエネルギー源ですから、精神を安定させてイライラ抑えます。
ふだんイライラしがちな人は、ビタミンB1不足も考えられます。

日本人は、摂取エネルギーの約半分をごはんなどの糖質から摂っているので、大変重要な役割を持ているビタミンです。

ビタミンB1が不足すると、糖質の代謝がうまくいかなくなり、その結果、乳酸やピルビン酸などの疲労物質が蓄積し、疲労や筋肉痛の原因となってしまいます。

ビタミンB1は主に糖質の分解を担当しており、TCA回路という細胞内のエネルギー工場で活躍しています。
身体の疲れは、筋肉の中に溜まった乳酸などが原因で、このエネルギー工場であるTAC回路が正常に機能していないと、乳酸もなくなりません。

また、ビタミンB1不足で燃やせないエネルギーは、脂肪として溜まってしまいます。

ビタミンB1は、脳の中枢神経や手足の末梢神経の働きを正常に維持する作用も持っています。
ビタミンB1が不足欠乏すると、反射神経の異常、手足のしびれ、食欲不振、倦怠感、脚気などの症状が起こり、ひどくなるとむくみや心臓肥大が現れます。

江戸時代末期に、江戸詰めの若い藩士に流行した「江戸わずらい」は、後にビタミンB1不足による脚気だったとわかりました。

今は、脚気にかかる人は少なくなりましたが、アルコールや糖質を多量に摂る人、運動によるエネルギー消費量が多い人の中には、潜在的なビタミンB1欠乏症の人がかなりいると考えられています。



ビタミンB1の特徴

化学名・別名チアミン
ビタミンB1性質水溶性
ビタミンB1の生理作用補酵素として糖質の代謝に関与、神経機能を正常に保つ
摂りすぎによる弊害過剰症は認められていない
不足による弊害脚気、多発性神経炎
1日の摂取基準成人男性:1.3~1.4mg  成人女性:1.0~1.1mg


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