とうもろこし・スイートコーン

  • 薬効:動脈硬化 むくみ 便秘 ぼうこう炎 尿道炎 せき 美肌 加齢による視力低下予防

とうもろこしの原産地はアメリカ、中南米です。
先住民が食用に野生種を栽培したのが始まりです。

とうもろこしは、15世紀にコロンブスがスペインに持ち帰って、急速にヨーロッパに広まりました。
日本には、安土桃山時代にポルトガル人によってもたらされ、明治時代になってから、主に北海道で栽培されるようになりました。

とうもろこしの品種は、世界で数千種にものぼるといわれ、食用だけではなく飼料や工業原料、バイオ燃料などに幅広く使用されています。

焼いたり、ゆでたりして食べるほか、コーンフレークス、ポップコーンなど色々な食品に加工されています。

ウイスキーの原料にもなり、成熟粒からはコーンスターチというでんぷんが、胚芽からはコーン油が作られます。

主成分はでんぷんですが、胚芽の部分にはビタミンB1B2E脂肪も多く含まれています。

甘みが強いとうもろこしは子供たちにも大人気です。
カロリーが高く、子供のエネルギー補給になり、おやつとしても重宝します。

食べておいしいだけでなく、栄養素をバランスよく含んだ高エネルギー食品といって良いでしょう。

とうもろこし


とうもろこしの注目栄養成分

とうもろこしの主な栄養成分(可食部100gあたり)

カリウム・・・290mg
カルシウム・・・3mg
ビタミンC・・・8mg
ビタミンB1・・・0.15mg
ビタミンB2・・・0.1mg
・・・0.8mg
葉酸・・・95μg
食物繊維・・・3g
炭水化物・・・16.8g
タンパク質・・・3.6g
脂質・・・1.7g

エネルギー・・・92kcal

とうもろこし


とうもろこしの栄養素成分効能効果

タンパク質脂質糖質を玄米並みに含むとうもろこしは、野菜というよりも穀類に近い存在です。とうもろこしの粒の胚芽の部分はビタミンB1ビタミンB2ビタミンEを多く含んでおり、体力アップや肌の健康に作用します。
黄色い品種にはカロテンが含まれているので、体の酸化を抑える働きもあります。

ビタミンB2は体の成長と細胞の再生を助けます。
また、ビタミンB群を多く含むので、疲労回復や感染症予防などの効果があります。

ビタミンEは若返りのビタミンと言われ、動脈硬化や老化防止、不妊、貧血脳軟化症の予防に役立つとされています。

とうもろこしは、ずばり便秘に効果があります。
毎日1本食べていれば、とうもろこしの食物繊維マグネシウムが、腸の蠕動運動を助け、便通を良くしてくれます。

とうもろこしに含まれる食物繊維は不溶性で表皮に多く、玄米の2倍とも言われています。
不溶性食物繊維は、繊維自体が水を多く吸収して数倍に膨れて便となり腸を刺激し蠕動運動を活発にさせることで腸内の老廃物、便秘を解消する働きがあります。

また、リノール酸との相乗効果でコレステロール調整にも役立ちます。
表皮は少し硬く消化が悪いのでよく噛むようにしましょう。
子供やおなかがデリケートな方は食べ過ぎには注意しましょう。

胚芽の部分には、ビタミン類や良質の植物性脂肪があり、不飽和脂肪酸を含んでいます。
これには、血管のコレステロールの清浄作用があるので常食すれば、動脈硬化の予防が期待できます。

毎日食べるのが大変だという方は、調理の際にコーン油を使うと良いでしょう。

とうもろこしに含まれるファイトケミカルルテインは、網膜の黄斑部が酸化するのを防ぐ役割を果たしていると考えられています。
白内障など加齢による視力低下や目の組織に影響します。

また、強い抗酸化作用によるがん予防、肝機能の向上などの効果が期待できます。

とうもろこしのひげの部分は、普通捨ててしまいますが、漢方では「南蛮毛」という立派な薬で、血圧降下、利尿作用があり、むくみなどに効果があると言われ、肝臓病の薬として利用されてきました。

南蛮毛には、ブドウ糖クエン酸、脂肪酸、ビタミンKなどが含まれており、煎じてお茶がわりに飲むと、さまざまな薬効を得られます。

もっとも知られているのが、体のむくみをとる作用です。
急性腎炎や妊娠中のむくみには、とうもろこしのひげを乾燥させたもの60gを煎じて、1日3回に分けて飲みます。
強い利尿作用があるので、尿が多く出てむくみを解消してくれます。

ぼうこう炎や尿道炎場合も、これをお茶がわりに飲むと、症状が改善されます。

とうもろこしのひげ30gとミカンの皮10gを煎じて、1日2回分けて飲むと、咳止めやたんを切るのに効果があります。

近年では飲みやすい「ひげ茶」も見かけるようになりました。


とうもろこし・スイートコーンの効果的な食べ方

とうもろこしには必須アミノ酸であるリジンが少ないので、牛乳や豆乳などと組み合わせてスープなどにすると栄養のバランスが良くなります。

とうもろこしは収穫してから時間が経つと栄養がどんどん失われ、糖分も低下し始めるので、入手したら少しでも早く食べるようにしましょう。

電子レンジで調理する場合は、薄皮を2枚ほど残して皮をむき、電子レンジ500~600wでとうもろこし1本あたり3分を目安に加熱します。

食べ終わったとうもろこしの芯を捨てていませんか?
芯を水から煮出すと、まるでコーンポタージュのような、とても風味がよいスープがとれます。
ぜひ試してみてください。

とうもろこし粉

中南米では重要な穀物の一つです。
完熟した種子を砕いたもので、粒子の細かさにより、コーングリッツ、コーンミール、コーンフラワーと区別されます。

小麦アレルギー対策食品としても注目されています。

トウモロコシ粉とトウモロコシ

ポップコーン

ポップコーンにされるのは皮がかたい爆裂種という品種です。
加熱すると中の水蒸気が破裂するため、はじけるのです。

とうもろこしはもともとカロリーが高めですが、油を使って作るポップコーンはさらに高カロリー(100gあたり484Kcal)なので食べ過ぎには要注意です。

とうもろこしポップコーン

とうもろこしの健康美容効果倍増の食べ方・食べ合わせ

とうもろこし+オリーブオイル=ルテイン吸収力アップ

とうもろこしに含まれるルテインは、熱に強く、油との相性が良い。

おススメレシピ:焼きとうもろこしのマリネ

【作り方】
1.とうもろこし(2本)は焼き網で焼き色が付くまで焼き、包丁で実をこそげ落とし、オリーブオイル(大さじ6)、ワインビネガー(大さじ2)、塩・こしょう(各適量)に漬け込む。

※冷蔵庫で保存可能(2~3日以内)。

焼きとうもろこしのマリネ

とうもろこし+かぼちゃ=肌をきれいに

とうもろこしの食物繊維で便秘を解消し、合わせてかぼちゃの豊富なビタミンEの抗酸化作用で、新陳代謝を促してきれいな肌づくりに役立ちます。

おススメレシピ:かぼちゃのコーンクリームグラタン

とうもろこし・スイートコーンの品種・種類

とうもろこしは、葉の光合成でショ糖を作りデンプンに変えて実に蓄えます。
ある時、デンプンに変える能力が低く、糖分の多い種類が見つかりました。
これが「スイートコーン」の始まりです。

その後、糖の含有量を多くする遺伝子が数種類見つかり、これらの組み合わせで、年々とても甘い品種がたくさん開発されています。

ゴールデン・バンダムから、ゴールデン・クロスバンダムを経て、より甘いハニーバンダム時代が昭和40年代でした。

平成に入り、黄色粒に白色粒が混じるバイカラー種中心となります。
近年は、黄色種でより甘い極甘味種、白色で生でも食べられるタイプなど、糖度が高く風味もある新しい品種が開発されています。

栽培されている主な品種

品種名早晩性粒色初期育成着穂高
バイカラー系ゆめのコーン80早生黄白
ゆめのコーン中早生黄白
優味中早生黄白
ピーター235中早生黄白やや良
ハーモニーショコラ中生黄白
黄色系ゴールドラッシュ早生
味来早生130早生やや良
味来390中早生不良
キャンベラ86中早生不良
恵味86中早生不良
白系ピュアホワイト中生不良

とうもろこしの保存方法

とうもろこしはすぐに風味も栄養価も減ってしまいます。
保存方法は茹でてラップに包んで冷蔵庫に入れるか、粒を外して保存袋で冷凍保存しましょう。

おすすめコンテンツ

とうもろこしの関連ページ