吸収のメカニズム

吸収とは、消化された食物が栄養素となって小腸などから取り込まれる現象のことです。

小腸の構成と構造

小腸は、十二指腸・空腸・回腸の3つで構成されます。
十二指腸は約25cm、空腸はその先の約2/5、残りが回腸です。

空腸と回腸で栄養素と水が吸収されますが、空腸のほうが吸収が盛んに行われます。

空腸・回腸の内壁は高さ約1mmの絨毛で覆われており、その表面にはさらに微絨毛が生えています。

微絨毛の表面積の合計は、人間の体表面積の約5倍にも及び、栄養素や水分をむだなく吸収します。

終末消化酵素

微絨毛の表面には、ここまで消化されてきた栄養素を数種類に選び、最小サイズの栄養素にして吸収する酵素が並んでいます。

これを終末消化酵素と呼びます。

例えば、麦芽糖(ブドウ糖が2つ繋がった糖質)は、ブドウ糖(最小サイズの糖質)に分解されて吸収されます。

タンパク質アミノ酸やペプチドに分解されて吸収されます。

脂質のうち中性脂肪は脂肪酸とグリセロールに分解され、他の脂質のコレステロールやリン脂質と共に吸収されます。

血液やリンパ液に溶けて体内(肝臓)へ

絨毛の内部には血管とリンパ管が通っています。

ブドウ糖などの単糖類アミノ酸やペプチド、水溶性ビタミンミネラルは静脈に溶けて、門脈という太い静脈を経て肝臓へ送られます。

一方、脂質や脂溶性ビタミンはリンパ管から静脈に入り、心臓、動脈を経て肝臓に運ばれます。

食べ物の栄養素が肝臓に運ばれる理由は、肝臓が栄養素を人に役に立つように処理する臓器だからです。

例えば、ブドウ糖の一部はグリコーゲンに合成されて肝臓に蓄えられます。

これは血糖が下がったときに即座にブドウ糖を供給するためです。

また、食べ物のアミノ酸は人の体に合うアミノ酸に作り替えられますし、脂質も体に利用できるように再合成されて血中に放出されます。


 

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