水の働き

水と栄養素の関係

栄養素は体内で全て水に溶けた状態で消化吸収、運搬されます。

糖質、脂質、タンパク質が消化されるときには、消化液に含まれる水に溶けて消化酵素の作用を受けます。

中性脂肪は、水に溶けませんが、水と油の両方になじむ胆汁の乳化作用の助けを借りて水に溶けます。

水に溶けた栄養素に消化酵素が作用すると、栄養素は水と反応して分解されます。

これを「加水分解」といいます。

例えば、デンプンが麦芽糖やブドウ糖に分解されるのは加水分解の結果なのです。

体重の約60%は水分で、これを体液といいます。

体液は、細胞内、細胞外(組織間、血漿)、体腔(肺や心臓、胃腸や肝臓の隙間など)に存在しています。

栄養素は細胞外の体液に溶けて細胞内に入り、様々な代謝を営みます。

ミネラルは体液に溶けてイオンになり、体を調整する元になります。

そして、不要になった栄養素は体液に溶けて細胞外に出、血液によって腎臓に運ばれて排泄されます。

血液とリンパ液の液体成分は血漿です。

血液は血球や栄養素、酸素などを運搬し、リンパ液は古い細胞や血球のかけらなど老廃物や脂質を運搬します。

体を動かすとき、筋肉グリコーゲンが分解されて、エネルギーが発生します。

これは筋肉を動かすためのエネルギーだけでなく、熱を発生するエネルギーにもなります。

この熱が体温になりますが、余分な熱は体液が汗や呼気となって気化熱を奪うことで、体温は一定に保つ働きを担っています。


各組織の細胞内水分含有比率

皮膚72%
筋肉75.6%
22%
血液83%
肝臓68%


体内の水の出納(成人1日当たり)

体に入る水 単位ml体から出る水 単位ml
食べ物の水分1,000尿1,500
飲料1,200700
代謝水※300呼気300
合計2,500合計2,500

※代謝水は、糖質、脂質、タンパク質がエネルギーになるときに出る水のこと


 

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