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みかん
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正しくは温州みかん(うんしゅう)といいます。
この名前は、原産が中国の温州であることに由来していますが、諸説ふんぷんで正確なところはよくわかっていません。
植物学者の牧野富太郎氏によれば、みかんは日本が原産で、中国の温州とは無縁だそうです。
それはともかく、温州みかんが日本の特産であり、冬の果物の代表的存在であることに変わりはありません。
もっとも、現在のような温州みかんが出回るようになったのは、明治になってからのことです。
紀伊国屋文左衛門でおなじみの紀州みかんは、ずっと小ぶりな別の種類です。
温州みかんにも、早生のものと、そうでないものとがありますが、これにハウスものが加わって、現在は出荷時期も三段階に分かれるようになりました。
いちばん早いのがハウスもので、夏のうちから出回ります。秋の声を聞くとすぐに早生みかんが登場し、冬本番になって、ふつうのものが店頭に出回ります。
おいしいみかんは、中身がよくしまっていて、皮のつやがいいものを選びます。
ただし、ワックスをかけてつやを出しているものもあるので注意しましょう。
そのほか、皮が厚くてゴワゴワしているもの、皮と実の間にすき間ができているものは上等とはいえません。
保存は冷暗所に保管するようにしましょう。
箱で購入した場合は、一度全部出してみて、いたんだり、カビがはえたりしているものがないかどうかチェックしましょう。
みかんには、様々な効能があるうえ、クセのない味で飽きずに食べられる優れた食品です。
みかんというとすぐビタミンCが連想されますが、たしかにビタミンCの含有量は100g中35mgと豊富に含まれています。
1日3個も食べれぱ、成人の1日必要量を摂取できます。
みかんが風邪予防に良いというのは、ビタミンCによるものです。
ビタミンCには免疫力を高めるのに必要なので、風邪予防にはもちろん、皮膚を健康に保つ働きも期待できます。
そのほかにも、ビタミンA(カロチン)、ビタミンP、カリウム、ペクチンなどが含有されています。
酸味の主役はクエン酸です。
みかんにはクエン酸やリンゴ酸など酸味成分も多く含まれているので、エネルギー代謝を高め、体の疲れを早くとる働きがあります。
みかんに含まれるファイトケミカルはプロビタミンAです。
プロビタミンAの一種で近年注目されているのが、温州みかんの色素成分であるクリプトキサンチンのがん予防効果です。
強力な抗がん作用が期待できると言われています。
果実はもとより、袋や皮、皮の内側の白いすじの部分にもそれぞれ栄養素が含まれており、捨てるところがないといわれるほど。じつに利用価値が高い果物です。
食物繊維は袋に多く、皮の内側のすじにはビタミンB、Cが豊富に含まれています。
みかんのすじには、食物繊維ペクチンとフラボノイドの一つ、ヘスペリジンが含まれています。
ペクチンは、腸の中の水分を調節して便秘を解消する効果が期待できます。
また、ヘスペリジンは、血管壁を強化することで、コレステロール調整や動脈硬化予防に効果が期待できる成分です。
また皮は、漢方では「陳皮」(チンピ)といって、さまざまな薬に利用されています。
陳皮を細かくきざんだものは、七味とうがらしに、薬味としても使われています。
みかんは風邪の薬として、昔から珍重されてきました。
みかんを毎日食べることでビタミンCの摂取ができ、風邪に対する抵抗力が増し、免疫力を高めてくれます。
風邪をひいてしまった時には、きざんだ陳皮5~10gに熱湯を注ぎ、砂糖を少々加えて日に3回ほど服用すると良いでしょう。
軽い症状ならこれですぐに治ります。
熱や悪寒、のどの痛み、せきなどがある場合には、陳皮としょうがを同量、水から煮て煎じたものに砂糖を加え、3回に分けて飲むと効果的です。
陳皮は、皮を日に干してよく乾燥させたもので、家庭でもすぐに作れます。
陳皮を常備しておけば、薬味や香辛料としても使えるので大変便利な食材となります。
とくにスープやうどん、おかゆの中に陳皮を2、3片人れると、香りで味が引き立ち、食欲増進に役立ちます。
せきやたんがひどいときは、陳皮を黒焼きにして粉末にし、ハチミツとねり合わせて服用する方法もあります。
みかんを常食していれば便秘にも効果があります。
なるべく食物繊維の多い袋ごと食べるようにましょう。
すっぱさのもとであるクエン酸も、腸を刺激し、活性化させる効果があります。
がんこな常習便秘なら、陳皮を前もって酒にひたしておいてから、火であぶって黒焼きにし、粉末にしたものを白湯(さゆ)に溶いて飲むと良いでしょう。
またみかんは、毛細血管を健全にします。
これはペクチンがコレステロールを分解し、カリウムが血液を弱アルカリ性に維持するからで、動脈硬化や高血圧の予防に効果があります。
ビタミンPには毛細血管を破れにくくする作用もあるので、高血圧で脳卒中が心配な中高年の人にも適しています。
また、クエン酸は血行をよくし、ビタミンCは皮膚のメラニン色素を抑制します。
同時に、ビタミンAはうるおいのある肌をつくる効果があるので、肌が気になる女性にも、みかんを常食してほしいものです。
ちょっと変わった利用法としては、陳皮を水で煮出した汁をリンスがわりに使うこともできます。
髪につやをあたえて、しっとりなめらかにするのが「陳皮リンス」の特長です。
中医では、加熱したみかんを食べると血行が促進され、風邪や腰痛、冷え性に効果があると言われています。
みかんを丸ごと焼き網にのせて、弱火で焼き、全体が黒くなったらアツアツの果汁をしぼって飲むというものです。
意外な美味しに気づかされます。
陳皮は、漢方では芳香性健胃、鎮咳薬として食欲不振、嘔吐、疼痛などに対して用いられます。
風邪の引き始めに効果的。
【作り方】
1.みかん(200g)は皮をむいて輪切りにし、耐熱のボールに入れ、りんご酢(200㏄)、はちみつ(50g)を入れてラップをせずに電子レンジに30秒から40秒かけて常温で1晩置く。
2.1を広口瓶に入れ、冷蔵庫で保存する(2~3週間以内)
みかんは、皮が薄く適度に扁平な形のものを選びます。
ヘタ付きの場合は、太くて黒ずんでいるものは避けましょう。