納豆の栄養、効能効果

  • 効能効果:血栓予防、がん予防、アンチエイジング、こむら返り予防、骨の健康

納豆は日本の誇るスーパーフードの一つと言っていいでしょう。
煮た大豆に納豆菌を加えて発酵させてつくる納豆には、発酵過程で有効な成分が生まれます。

もともとの大豆が持っている有用な成分にプラスされて、美容や健康維持、がんや生活習慣病の予防など、様々な形で健康に役立つ食品となっています。

納豆菌のよいところは、腸内で活性化し、病原菌のような有害な菌には殺菌効果を発揮し、人の体にとって有用な善玉菌であるビフィズス菌・乳酸菌や酪酸菌を増強し、腸内環境を整えてくれる作用があることです。

特に、乳酸菌を増やす作用はすばらしく、数値を一桁上げるほどです。

この結果、抗菌、抗がん、免疫力強化などの効果が期待できます。

納豆には、アルギニンという、免疫力を高めて若返り効果をもたらすアミノ酸が豊富に含まれています。

この若返り効果には、成長ホルモンが深く関係しています。

納豆

成長ホルモンというと、子供の成長に必要であって、大人には必要ないように思われがちですが、それは間違いで成長ホルモンは一生分泌され、重要な役割を担っています。

女性が関心の高いアンチエイジング(坑老化)の重要なキーワードでもあります。

成長ホルモンは脳下垂体から分泌され、血液検査でその量を測ることができます。
成長ホルモンが分泌されるのは、17~19才がピークで30代になると1/3ほどに激減し、その後も確実に減少していきます。

人は、30代後半になると、疲れが翌日に残ったり、シワやシミが気になったりと急に老いを感じるようになりますが、これは成長ホルモンの分泌が減少するせいで老化が始まるからです。

アメリカで行われた、老化と成長ホルモンとの関係についての実験で、60~80才の人に成長ホルモンを投与したところ、半年後には、肌や髪といった外見上の要素だけではなく、心肺機能、肝臓や腎臓などの機能、代謝や免疫力などが10~20才若返り、体脂肪率が平均14%減り、筋肉量が10%増えたという結果が出ています。

納豆は「畑の肉」と呼ばれる大豆が原料だけに、タンパク質の含有量は多く、納豆100gでとれるタンパク質は、牛肉80g、卵2個半とほぼ同じです。
しかも、煮た大豆より納豆の方が吸収率が良い上にコレステロールは0です。

動物性脂肪を控えている人やコレステロール値の高い人でも安心して食べられるタンパク源と言えるでしょう。

人の体を作っているのは、20種類のアミノ酸です。
20種類のアミノ酸が色々な形で組み合わさって、100万種類ものタンパク質を作り、人体を構成しています。

肉や魚、大豆、大豆製品などのタンパク質食品を摂取すると、胃や腸で最小単位のアミノ酸までに分解されて吸収されます。
そして体の各組織に運ばれ、人体に必要なタンパク質の形に再合成されます。

この成長ホルモンの分泌を増やす簡単な方法は、アミノ酸の一種であるアルギニンを摂る事です。
アルギニンには、脳下垂体を刺激して、成長ホルモンの分泌を促進させる作用があります。

アルギニンは多くの食品に含まれていますが、中でも納豆に含まれているものは、吸収されやすい形になっているのでおススメです。
納豆は、効率良くアルギニンを摂取でき、カロリーオーバーの心配もありません。

アルギニンが脳下垂体を刺激して、成長ホルモンの分泌が増えると様々なアンチエイジング効果が得られます。

  1. 筋肉を増強させる
  2. 免疫力を高める
  3. 新陳代謝を促進する
  4. 脳を活性化させる
  5. 脂肪を燃焼させる
    などです。

わら入り納豆

つまり、細胞一つ一つの代謝が活性され、免疫力が高まり内臓の働きや皮膚の若返りに効果を発揮します。

身近で安価な納豆を上手に食生活に取り入れ、アンチエイジングの効果を得られるようにしましょう。



納豆の発酵過程で生まれるのが、ナットウキナーゼというたんぱく質分解酵素です。
納豆のネバネバ部分に含まれるナットウキナーゼには、心筋梗塞や脳梗塞を起こす原因となる血栓を溶かす作用があります。

さらにナットウキナーゼには、ウロキナーゼ(人体に備わっている血栓溶解酵素の一つ)を活性化させる働きがあることも分かっています。

納豆にはビタミンB2が大豆の倍近く含まれているのも特徴です。
ビタミンB2は脂肪の代謝に欠かせないビタミンなので、肥満防止や動脈硬化の予防、疲労回復や美肌作りにも役立ちます。

納豆に含まれるビタミンKは、コラーゲンを増やし、骨の質を高め、骨粗鬆症を予防します。

納豆には、大豆に含まれる有用成分、ビタミンEイソフラボンレシチンタンパク質カルシウムなども含まれています。
大豆イソフラボンは女性ホルモン同様の働きをします。
レシチンには記憶力を高めたり、コレステロールを低下させたりする働きがあります。

納豆の注目成分

ナットウキナーゼイソフラボンタンパク質ビタミンK



納豆のイソフラボンビタミンKで骨粗しょう症予防

健康な骨は内部が網目構造をしていますが、網目がスカスカした状態になると骨をもろくなり、ちょっとした衝撃で骨折しやすくなってしまいます。
これが、骨粗しょう症です。

体内では骨を常に新しく作り直している仕組みがあり、この仕事は二つの細胞が担っています。
まず、破骨細胞が強い酸を出して骨を溶かし、その後を骨芽細胞が血液中から取り出したタンパク質カルシウムで新しい骨に修復という連係プレーで体を支えています。

この連係プレーが常に行われていれば、いつまでも元気な骨を保つことが出来るはずですが、年をとると、この二つの細胞の働きのバランスが崩れがちになります。

特に女性は男性に比べ、もともと骨量が少ない上に、出産や授乳でカルシウムを失うため、骨粗しょう症になりやすいのです。

さらに、更年期を迎えると、破骨細胞の働きを抑える女性ホルモンの分泌が減ります。
これにより破骨細胞だけが活発に働くようになると、カルシウムがあっても、骨芽細胞の骨を作る作業が間に合わなくなる事があります。

つまり、骨粗しょう症予防にカルシウムだけをとっても、骨量を増やすことが出来ないのです。

そこで注目したいのが大豆のイソフラボンです。
ポリフェノールの一種で女性ホルモンのエストロゲンによく似た化学構造をもつ物質です。
そのため、体内でもエストロゲンとよく似た働きをし、破骨細胞の働きを抑制してくれます。

納豆にはこのイソフラボンに加え、骨芽細胞の働きを活発にするビタミンKが多く含まれるため、骨が溶けるのを抑えるとともに、新しい骨を作るというダブル効果で骨粗しょう症予防に大きな効果が期待できます。

納豆のおいしい食べ方

薬味や亜麻仁オイル、エゴマ油などのオメガ3系オイルを加えて食べる。

納豆は大豆の栄養を丸ごと食べられる食品です。
冷凍保温できるので、常備しておきたい食材です。

納豆を食べる際の注意点

脳梗塞、心筋梗塞の予防として、納豆のネバネバに含まれるナットウキナーゼの抗凝固性能は医薬品に匹敵するほどです。
ただし、治療として抗凝固剤を服用中の場合は併用が禁忌とされているので避けましょう。

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