さばの効果的な調理法
コレステロールを抑える働きのあるサバの不飽和脂肪酸は血合い肉の部分に多く含まれています。
これは、同じ成分が皮のすぐ下に集まっているイワシに比べ、量をとるという点ではそうとうに有利です。
ただ、EPAやDHAはいずれも大変に酸化しやすく、過酸化脂質に変わってしまうと人体に悪影響を与えかねません。
これを防ぐためには、何より新鮮なうちに食べること、抗酸化力の強いビタミンA(β-カロテン)やビタミンEを一緒にとること、そして調理法に工夫をすることです。
その意味で、古くからあるしめサバは、酢の有機酸がもつ抗酸化力でサバの酸化を遅らせると共に、消化吸収を良くする理にかなった方法です。
酢の抗酸化力で鮮度と消化を高めたしめサバは、料理の素材としても有効に使えます。
おすすめメニューは、おからでカルシウムや食物繊維を補った「しめサバの卯の花和え」です。
まずは、新鮮なサバを3枚におろし、塩をして5~6時間置きます。
サッと水洗いをして塩を落としたら、良質の酢に10~20分ひたしたら、しめサバの出来上がりです。
一方おからのほうは油で炒らず、少量のだし汁で煮て、水分をとばしサラサラにします。
これを細かく切ったしめサバにまぶし、きざんだ酢ショウガとゆでたミツバを添えていただくと良いでしょう。
ほかにも、サバのくさみが気になる場合は味噌煮にし、煮る際に酢を少々加えます。
大切なEPAやDHAを効率よくとるには、抗酸化力の強い植物油で揚げる竜田揚げもおすすめです。
サバは水分が多いうえ、自身が持つ分解酵素によって自己消化を起こします。
「サバの生き腐れ」などといわれるほど鮮度の低下が早いこの魚については、いかに新鮮なものを見つけるかが重要です。
見分けるポイントは、腹の部分に金色のスジ状の模様が出ていることです。
あとは、目が澄んでエラが赤紅色のものを選ぶと良いでしょう。
サバのうまみ成分であるヒスチジンは、鮮度が落ちると有害なヒスタミンに変わり、ジンマシンや腹痛などの中毒症状を起こすことがあります。
あたらないようにするには新鮮なうちに食べること、アレルギー体質の方は量を食べ過ぎないように注意しましょう。