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唐辛子(とうがらし)
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とうがらしは、ナス科トウガラシ属でピーマン、シシトウガラシと同じ仲間です。
とうがらしの種類は非常に多く、世界各地に100種類を超えると言います。
中南米原産で15世紀の終わりに、コロンブスによってスペインに持ち込まれ、ヨーロッパに広がりました。
現在ではインドを筆頭に、中国やタイなど広い地域で生産されています。
日本には、天文年間に渡来したとも、加藤清正が朝鮮から持ち帰ったとも、また、慶長年間にポルトガル人が持ち込んだとも言われています。
江戸時代には盛んに栽培されていたことが分かっています。
各地に伝えられた後、品種改良などで風土や料理に合った多様な品種が生まれています。
大きく分けると観賞用と香辛料の原料になるもの、辛みの強いものと弱いものがあります。
日本で栽培されているものとしては、香辛料に使われる鷹の爪や八房、緑色の果実や葉を使う伏見などが代表的です。
熟す前のものは青唐辛子、完熟したものは赤唐辛子と呼ばれます。
一般的に赤くなるほど辛味が強くなり、種類によって辛さのレベルは異なります。
とうがらしは、香辛料として世界で広く使われています。
葉とうがらしは、佃煮などにして食べます。
朝鮮半島では、とうがらしのことを「コチュ」といって、漬け物のキムチなどの朝鮮料理には欠かせない食材です。
とうがらしの辛み成分は、カプサイシンというアルカロイドの一種で、種皮や果皮に多く含まれています。
この成分にはカビ止めの作用があるといわれています。
品種の代表的なものは、鷹の爪です。そのほかに栃木三鷹、八房などがあり、葉とうがらし用として伏見辛があります。
とうがらしのピリピリする強い刺激には、体を温める働きがあることは昔から知られていました。
足が冷たいとき、靴の中に入れて保温するという方法は、昔から民間療法として行われていました。
布にくるんだとうがらしを爪先に入れておくと、その部分の血行がよくなりしもやけなどを予防します。また腹巻の中に入れておけば、カイロの代用にもなります。
全身の血行を促し、冷え症や肩こり、しもやけなどを治すには、とうがらし湯に入るのが効果的です。
とうがらし5~10個を刻んで布袋に入れ、風呂の中に漬けます。このお湯にゆっくりとつかれば、体の芯から温まります。皮膚の弱い人は量を少なめにしましょう。
手足のしもやけやあかぎれ、ひびなどにも、優れた効果を発揮します。
洗面器に熱湯を注ぎ、そこにとうがらし数個を刻んで入れます。お湯が適温になるまでさまし、手を浸します。
毎晩、就寝前に5分ほどこれを行うと、数日で症状が改善されます。
足が冷えて、夜寝つけない人は、このお湯で足を温めて寝ることをおススメします。
食欲不振のときは、とうがらしとレモンをホワイトリカーに漬け込んだとうがらし酒を食前酒として飲むと、食欲増進に効果を発揮します。
薬膳としての効能は、体を芯から温めて、胃腸を活発にし、消化促進、食欲を増進させます。
発汗作用によって、体内の余分な水分を排出します。
体を強く温めるため、ほてりやのぼせがある人は、注意が必要です。
とうがらしの果実や葉には、カロテン、カルシウム、ビタミンB1、B2、Cなどが豊富に含まれていますが、とうがらしを大量に食べない日本人は、健康野菜とは考えていないのかもしれません。
日本では一般的に乾燥とうがらしを使います。
とうがらしの特徴は、燃えるように赤い色の色素成分カプサンチンと、辛味成分のカプサイシンです。
色素成分のカプサンチンは、抗酸化作用をもち、老化防止やがん予防などに効果が期待されています。
カプサンチンは熱に強いので、調理で加熱してもその成分に変化はありません。
脂肪分と一緒にとると吸収力がアップします。
また、とうがらしの葉の部分にも、カロテンやビタミンCを多く含むので、八百屋などでとうがらしの葉が手に入ったら、油炒めや佃煮にすると良いでしょう。
かつて日本では、唐辛子を食用より、貼り薬や防虫剤として親しんできました。
どちらかと言えば、美味しさよりも薬効が注目されてきました。
その唐辛子に、以前は知られていなかった効果のあることが、様々な研究で分かってきました。
唐辛子に含まれるカプサイシンという成分に、血液中の白血球の活動を活発にする効果が発見されました。
カプサイシンは唐辛子の特徴である辛さ(正確には味ではなく痛覚)を生む成分です。
辛い物を食べると体に力がみなぎるような気がしますが、実は白血球も元気になっていたのです。
白血球には色々な種類があり、それぞれが異なる役割を担っています。
カプサイシンが元気にするのは、白血球のなかの好中球という種類で、体に侵入してくる病原菌などを撃退してくれます。
唐辛子を食べると好中球の活動が活発になるため、体の抵抗力を高め、風邪などから体を守る効果が期待できます。
つまり、唐辛子には免疫力を高める効果があるということです。
さらに、唐辛子に含まれる辛み成分であるカプサイシンには、脂肪をよく燃やしたり、エネルギー代謝をよくする効果があります。
辛みや刺激に弱い人が多量に唐辛子を食べると胃の粘膜を荒らすことになります。
胃潰瘍の人にも唐辛子などの刺激物は厳禁です。
その一方、適量のカプサイシンには、胃壁の保護作用があります。
自分で楽しめる辛さを目安にして、カプサイシンの豊富な唐辛子を味のアクセントとして料理に活かしましょう。
ビタミン豊富でもそう多くは食べられない唐辛子ですが、ビタミン以外で注目されているのがダイエット効果です。
あの強烈な辛味の主成分はカプサイシンといい、体に沈着した脂肪が燃えるのを促進する働きがあります。
唐辛子をよく食べる韓国の女性は日本の女性に比べて、体脂肪の量が少ないという調査があります。
そこで、日本の女性に韓国の女性が1日に食べる平均的な量と同じ3.6gの唐辛子を10日間食べてもらう実験をした結果、皮下脂肪に変化はないが、内臓脂肪(深部脂肪)が700gも減少しました。
日本と韓国の女性の体脂肪の差は内臓脂肪によるところが大きく、皮下脂肪は500g程度の差ですが、内臓脂肪は2.2㎏も韓国女性の方が少ない。
そしてこれが毎日唐辛子を食べていることによる違いだと考えられています。
カプサイシンが内臓脂肪を減らす仕組みは、脂肪をエネルギー源として燃やすのを助けるためです。
運動する時はエネルギーとして、まず体に蓄えられた糖を燃やします。
脂肪もエネルギーになりますが燃えにくいため、すぐには使えません。
ところがそこにカプサイシンがあると、脂肪をエネルギーとして使う手助けをします。
そのため、体に溜まっている脂肪がどんどん使われ、内臓脂肪が減るのです。
さらに、微量でも血管を拡張・収縮させて血行を良くしたり、腸管の運動を促して老廃物を速やかに排出させる働きをしたり、さまざまな効果があることがわかってきました。
また、体力や持久力を上げ、エネルギー代謝を促すことから、消費エネルギーを増やす効果も期待できるので、この点でもダイエットにはうってつけと言えるでしょう。
ただし、脂肪を燃やす反面、胃腸の働きを良くして食欲を増進する働きもあるのでダイエット目的で唐辛子を食べる場合は注意が必要です。
また、一度にたくさん取り過ぎると、その強い刺激で胃腸を荒らすなどのデメリットがあるので注意しましょう。
何事もほどほどが大切です。
唐辛子をオリーブオイルに漬けて唐辛子の成分、カプサイシンを抽出することで、オイルの風味・美味しさをグンとアップさせます。
いつもの料理に辛味のアクセントを加え、減塩効果も狙えます。
ドレッシングにしたり、パスタに加えたりと、手軽な取り入れ法を工夫してみましょう。
【作り方】
1.乾燥唐辛子(20個)、にんにく(3片)の薄切りとをひたひたの酢(50㏄)に漬けて電子レンジで2分ほど加熱し、常温で1晩以上置く。
2.1をフードプロセッサーにかけ、塩(適量)を加える。
※種を果実と一緒に酢につけると辛さが増すが、口当たりが悪いので茶こしなどで漉すと良い。
※冷蔵で保存可能(2週間以内)
【作り方】
1.鍋に水(100㏄)、砂糖(90g)、味噌(130g)、唐辛子(2本)のみじん切り、しょうがのみじん切り(1/2片)を加えて、火にかけてトロッとするまで混ぜながら煮る。
2.とろみがついたら火からおろし、冷ましてから塩(大さじ1/2)、酒・酢(各小さじ1/2)加えて混ぜる。
※冷蔵庫で保存可能(2週間以内)
赤とうがらしは、赤色が鮮やかで、表面にツヤがあるものを選びます。