アジの効果的な調理法
アジは生で食べるには少しクセがありますが、新鮮なものは生でたたきするなど、豊富な不飽和脂肪酸(EPA・DHAなど)を逃がさない食べ方がお勧めです。

薬味としてネギやショウガをたっぷり使えば、その抗酸化作用でアジの脂肪の酸化を防ぎ、生臭さも気になりません。
健康に良いEPAやDHAは、酸化しやすいのが最大の弱点ですので、できるだけ新鮮なものを選ぶと共に、食材との組み合わせで変質を防ぐ工夫が大切です。
抗酸化成分といえば、なんといってもビタミンA(β-カロテン)、C、Eが有効です。
例えば、レモンやシソなどと組み合わせれば、含まれるビタミンCが脂肪の酸化を防いでくれます。
どんなふうに料理しても美味しく食べられるアジですが、アジの骨に含まれる豊富なカルシウムまでもそっくりとるなら「小あじの南蛮漬け」がお勧めです。
南蛮付けは、小ぶりのアジの唐揚げを野菜入りの酢醤油につける料理のことです。
つけ汁は、酢・醤油・トウガラシ・少しの砂糖と塩、これに香りを補うため、焼いたネギ、玉ネギ、レモン、セロリの葉などを加え、まるごと揚げたアジをしばらくつけておけば出来上がりです。
調理のポイントは、最初にアジを低温の油で揚げて火を通し、2度目に高温でカラリと揚げる点です。
こうすれば骨までやわらかく食べられます。
つけ汁は豊富な野菜のビタミンで、抗酸化と疲労回復に有効で、酢に含まれるクエン酸はアジの骨をさらにやわらかくし、カルシウムの吸収も格段に良くなって、骨粗鬆症予防にも好適です。
アジといえば代表的なマアジは、夏から秋にかけてが旬で、やや高級なシマアジは夏に美味しくなります。
アジの選び方のポイントは体の側面、尾にかけてのトゲトゲのうろこ(ゼイゴ)がしっかりついていること。
あとは目がきれいに澄んで、ヒレやエラなど全体がピンとしているもの、腹のあたりが丸く高く、形の良いものを選びましょう。
伊豆諸島特産で知られる「くさや」はムロアジを、内臓と血を加えた塩辛い汁につけ込んでから干したものです。
独特のくさみで知られ、はじめての人などは驚いてしまうほどですが、アミノ酸の分解・発酵が進んだつけ汁のおかげで味は良く、内臓のエキスを吸収しているためカルシウム量も生のアジの10倍増と、骨粗鬆症予防にお勧めの食品です。