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桑の実
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桑は山野に自生し、養蚕のために古くから、各地で広く栽培されるクワ科の落葉高木です。
中国や日本には、大きくマクワとヤマグワの2種類が自生しています。
クワはおもに養蚕用に栽培されています。
自然の状態で放置すれば10mにも達するほどの高木になりますが、カイコのために刈り込まれますので、低木で見かける機会が多いようです。
もっとも近年では国内産の絹製品は化学繊維や輸入品に押され、桑の葉をカイコのエサとする養蚕農家は減少し、桑畑はめったに見られなくなりました。
桑は4月頃、淡黄緑色の小花を穂状につけ、花が咲き終わると黒紫色に熟する果実をつけます。
桑の実は最初は緑色、次に黄色、赤色と変化して、6~7月頃黒紫色になります。
この熟した果実はとても甘く、ミキサーにかければ美味しいジュースになります。
山に自生しているクワを山桑(ヤマグワ)、栽培されているクワは真桑(マグワ)唐桑(トウグワ)と呼ばれ、どちらも食用、薬用に利用することができます。
中国から朝鮮半島を経て日本に渡り広く分布し、効能はどちらも類似しており、実から枝、根茎、葉と様々な部位が生薬として利用されています。
クワの根をそのまま、あるいはコルク層を除いたものが生薬「桑白皮」です。
根にはα,β-アミリンやプレニルフラボノイドのモルシンが含まれ、利尿作用や血圧降下、血糖値を下げる効果があるといわれています。
漢方では、消炎、利尿作用があるとされ、鎮咳薬として咳噺や呼吸困難の解消にに用いられます。
漢方での「肝」は血を蔵し、気の流れを促します。
「腎」は生命エネルギーを蓄える場所です。
桑はこの肝、腎に働きかけることから血を補う働きをし、体力低下を防止します。
抗酸化作用など、美容に嬉しい効能も高い食材です。
桑の葉は桑葉(そうよう)と呼ばれる生薬です。
晩秋の霜にあたったものが良品です。
葉にはフラボノイドのルチン、クェルセチン、モラセチン、イノコステロンなどが含まれ、抗菌作用があります。
風邪などによる発熱、頭痛、結膜炎、口渇、咳嗽、脳卒中、じんましんなどに用います。
また、二日酔いの改善に役立ちます。
桑の幼枝は桑枝(そうし)です。
関節の痛みや四肢のひきつり、掻痒症、浮腫に用います。
葉、枝はクワ茶として用い、健康茶として愛飲する人も増えてきました。
桑の果実は桑椹子(そうじんし)です。
熟すと、紫紅色になります。そのままで食べることもでき、甘酸っぱい果汁が豊富です。
果実には、有機酸、糖類、ビタミンB1、B2、C、カロテンなどが含まれます。
口の渇き、便秘、慢性疾患、病後、高齢などで体力の低下している時、めまいの時、耳鳴り、手足のふるえ、不眠、眼精疲労などに用います。
体を冷やす効能があるので、ほてりやすい人にお勧めです。
桑の実に含まれるレスベラトロール(ポリフェノールの一種)は、動脈硬化を防ぐ効果や、がんを抑える働きがあることが報告されています。
他にも、女性ホルモンのような働きを持つエストロゲンの作用もあるため、大豆のイソフラボンに続き、女性に嬉しい効能がある食材と言えます。
ただし、多量の摂取は控えましょう。
クワの実をホワイトリカーに漬けて「クワの実酒」を作ります。
「クワの実酒」は耳や目の機能を強める効果があるといわれています。
欧米ではアカミグワやクロミグワを生食用として栽培しています。
また、果実をジャムにしたり、発酵させて桑実酒にしています。
葉は秋に収穫し、日干しして乾燥した状態で、ハーブティーや薬膳茶として使用します。
実は煮詰めてジャムや肉料理のソースの材料に使います。
根の皮は漢方薬として入手できます。
若芽、若葉は生のまま天ぷらにしたり、茹でて和え物や汁の具にすることが出来ます。
熟れた果実は生食にしたり、ジャムや焼酎に漬けて果実酒にします。
桑の実と米麹を混ぜて甘酒のようにして発酵させて作った桑椹酒は、古来より不老長寿の妙薬とされています。
乾燥させた桑白皮の煎じ汁を煮詰め、米麹を入れて作った桑酒も同様の効果があります。
桑の葉は、「クワの葉茶」という名でハーブティーや薬膳茶として流通しています。
とくに葉は、栄養価が高く、カルシウムが摂取できます。
風邪の初期症状の緩和に効果的で、ひき始めに飲むのがお勧めです。
緑茶はビタミンCが豊富で風邪の時のブレンドにお勧めです。