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あんず
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あんず(アプリコット)は、中国北部が原産で、ヨーロッパには1世紀ごろ伝わったとされています。
アメリカで栽培されるようになったのは18世紀からで、現在はカリフォルニアが、世界的な産地になっています。
日本では長野県と青森県で主に生産されています。
春に花が咲き、6~7月が旬で、だいだい色の実が熟し一番美味しい季節です。
そのまま生食するほか、干しあんずにしたり、ジャムやシロップ漬けに加工したりします。
種子を陰干ししたものを、漢方では杏仁(キョウニン)といって、喘息やせきどめの薬として利用されます。
この種から取り出した仁が杏仁豆腐の原料となります。
杏仁湯といって中華料理のデザートに出る甘ずっぱい飲み物は、文字どおり杏仁が材料となっています。
消化を助ける効果があるので、油っこい中華料理を食べたあとには最適なデザートなのです。
旬は6~7月です。オレンジ色によく熟れたもので、張りがよく、ややかためのものを選ぶと良いでしょう。
あんずの実は、適度な甘みと酸味を持っています。
酸味の主成分はリンゴ酸、クエン酸などの有機酸で、甘みの成分はブドウ糖、果糖などから成っています。
ビタミン類ではビタミンAが多く、リン、鉄分などのミネラル類も豊富に含まれています。
とくに干しあんずにはミネラルが多く含まれています。
あんずは冷え症によく効くといわれます。
これは果肉に、体を温める作用があるからで、干しあんずを毎日数個食べつづけるだけで、がんこな冷え症も改善されてきます。
冷え症で虚弱体質の人なら、あんず酒がさらに効果を高めるでしょう。
毎晩、杯に1杯飲めば体が温まり、滋養強壮にも効果を発揮します。
とくに食前酒として食事前に飲めば、食欲の増進にも力を発揮します。
便秘のときに、あんずの実を食べると、便通が解消されることがあります。
生のままで食べてもいいし、干したものでも効果は変わりません。
これは実に緩下作用があるからです。漢方では杏仁を下剤として用いることもあります。
逆に下痢をしているときには、生のあんずをそのままでなく、油で揚げて食べると、下痢が治るといわれています。
干しあんずは、てっとり早い疲労回復剤として利用してほしいものです。
干したものは生にくらべて果糖がひじょうに多く、高カロリーなので、食べるとすぐに吸収されてエネルギーに変わります。
激しい運動をして疲れたときなどに、2~3個食べるだけで疲労が回復し、元気になります。
薬膳としての効能は、アンズの実もアンニンも、整腸効果があり、肺に潤いを与えてくれ、乾いた喉を潤してくれるという特徴を持っています。
市販されているアンズの種(仁)を粉状にした杏仁霜を購入すれば、手軽に杏仁豆腐が作れます。
寒天入りのものも販売されていますが、杏仁霜100%の方が風味豊かです。
また外用として、あんずジュースを入浴剤に利用すれば、肌をなめらかにする効果が得られます。
杏仁豆腐で使われる「杏仁霜」は、アンズの種である「仁」を取り出して利用します。
アンズの種を割ると中にある、白い仁の薄皮を外して杏仁豆腐の原料とします。
この仁は多量に採れないため、香りが似ているアーモンドで代用することもあります。
市販の杏仁霜は、アンズだけでなく香りが似ているアーモンドの仁を利用しているものが多いので、アンニンの効能を取りたいときは原料をチェックしましょう。
アンズの種には微量の毒素を含んでいるので、大量に摂取することは避けましょう。
子供へ与える場合は特に注意しましょう。
杏仁豆腐は、杏仁霜と牛乳、ゼラチン、水を火にかけて混ぜ合わせてから、型に流し込んで冷蔵庫で冷やせば出来上がり。
牛乳は取り過ぎるとお腹を下すこともありますが、適量の摂取はストレスによる疲労を軽減し、体を潤します。
アンズとの相乗効果で疲労を回復して、美肌づくりにも効果的です。