豆腐の種類と製造法

豆腐は、大豆のタンパク質を最も食べやすい形に加工したものです。
大豆に含まれるタンパク質は、水に溶けやすく、加熱しても固まりにくいが、凝固剤を加えることによって水分を含んだままでもしっかりした形に固まります。

このような特性を持った植物性タンパク質は大豆以外になく、豆腐が大豆ならではの食品といわれる所以です。


豆腐の種類・特徴

木綿豆腐

もめんごしともいい、基本的な製法をとる。
大豆の約10倍の水を加えた豆乳を使い、布を敷いた穴あきの型箱に入れて、重石で余分な水分(ゆ)を抜く。
肌がやや粗く、布目や型箱のあとがあります。
大豆の風味が最もよく出て、色も薄く残る。

木綿豆腐

絹ごし豆腐

もとは、豆乳を絞り取るとき絹袋を用いたといいますが、現在は大豆の約5倍の水を加えた濃い豆乳を使い、穴のない型箱で水分(ゆ)を取り除かずに固めます。

絹でこしたような滑らかな肌と食感を持ちます。
あまり白すぎず、やや弾力のあるものがよい。

絹ごし豆腐

充填豆腐

大規模工場で大量生産されるパック詰めの豆腐。

濃い豆乳を15℃以下に冷却した後、凝固剤を加えて容器に充填してから、90℃の湯に入れて凝固させたもの。

木綿豆腐や絹ごし豆腐のパック包装の製品とは違います。

充填豆腐

焼き豆腐

固めに作った木綿豆腐を厚く切り、よく水切りして炭火やガスバーナーで表面を焼いたもの。

生の豆腐より締まっていて、崩れにくい。

焼き豆腐



からし豆腐

からし豆腐

真ん中にからしを入れて丸く固めた製品です。

きざみ海苔をかけて冷奴のようにして食べます。
また、椀物などに使います。

沖縄豆腐

沖縄豆腐

沖縄独特の豆腐。
木綿豆腐に近いが、濃い豆乳で作り、固形分が多くかためです。

豆腐ちくわ

豆腐ちくわ

くずした豆腐と魚のすり身を混ぜて作るちくわの一種です。
蒸したものと焼いたものがあります。
鳥取県など中国地方で作られています。

基本的な豆腐の製造法・工程

豆腐の製造は、基本的には今も昔も変わりません。
最も基本的な製法は、まず大豆を水に一晩(最低8時間、長ければ20時間以上)つけます。
この時間は、水温の高い夏は短く、冬は長くしますが、吸水した大豆の重量が約2.2倍程度を目安にします。

やわらかくなった大豆を、水とともにグラインダーなどで細かく砕きます。
これを呉と呼びます。
この呉に蒸気を加えて加熱します。

沸騰すると激しく泡立つので、消泡剤を入れて泡を抑え、煮沸します。
煮沸後はすぐにこし袋に入れてこします。
ここで豆乳とおからに分けます。

次に豆乳の温度を75~85℃に低下させ、水に溶いた凝固剤加え、手早く混ぜ合わせた後、静置して固めます。

やがて水分が分離します。
この水分(という)を除き、凝固したもの(おぼろ豆腐、寄せ豆腐、くみ豆腐、ゆし豆腐という)を、布を敷いた水抜き穴のある型に入れ、押しぶたをして20分ほど押しをし、ゆを抜いて成型すれば豆腐の出来上がりです。

豆乳の濃度(大豆に加える水の量)、固める方法の違いにより、木綿豆腐、絹ごし豆腐、充填豆腐や木綿豆腐と絹ごし豆腐の中間といえるソフト豆腐などがあります。
他に脱脂大豆や、豆乳を濃縮し噴霧乾燥した乾燥豆腐を原料にした製品なども少量製造されています。

基本的に豆腐は生鮮食品ですが、パック包装の製品の一部と充填豆腐はやや保存性が高い。
特に充填豆腐には常温で3ヵ月もつ特殊加工した製品もあります。
 

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