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山椒(サンショウ)
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麻婆豆腐でお馴染みの鋭い辛さの山椒はミカン科のサンショウの果実を乾燥したもので、香辛料として薬味に用いられ食欲増進を促します。
サンショウは朝鮮半島、中国、日本のほぼ全土に分布します。
日本の生産量は和歌山県が最多で、高知県、京都府と続きます。
サンショウは、葉、実、果皮、花と様々な部位が使われます。
サンショウには雄と雌があり、実がなるのは雌株です
若芽は「木の芽」、黄色い花が咲いて「花山椒」、青い実は「青山椒」と全ての部位が利用されます。
胃を活発にして胃痛や腹痛に効果的な薬草です。
慢性疾患で全身機能が衰弱してエネルギー代謝がかなり低下した状態で、手足の冷え、寒がる、熱いものを好む、泥状便、脈拍が遅いなどの症状のときに使用します。
全身の代謝機能がかなり低下しているときは人参や乾姜を配合して血液循環を促進し、かつ消化吸収機能を高めます。
乾燥した種子は煎じて利尿作用や回虫駆除にも利用されます。
殺虫や魚毒の作用は昔から知られ、これは辛味成分です。
皮膚のかぶれには乾燥した果皮の煎汁を患部に塗ります。
苦味チンキの原料にもなります。
サンショウの香気成分は精油(2~3%を含む)その主成分はジテンペン50%、ゲランオール、シトロネウールです。
辛味成分としてサンショールを含有しています。
辛味成分のサンショールが体を温めて、冷えを解消し、胃の働きを活発化させます。
薬膳としての効能は、胃腸を温めて、腹痛や下痢を抑えます。
他にも、芳香成分により、胸のつかえや吐き気の改善にも有効です。
昔から夏の土用といえば鰻です。
この時期は湿気が多く、胃腸が弱りやすくなります。
そのため昔から栄養満点の鰻を食べて乗り切ってきました。
しかし、そのままでは脂っこくて消化が悪いため、山椒をふりかけてさっぱりした口当たりにし、サンショウの効能で食べやすくしています。
サンショウには湿気を払い、胃腸をいたわりつつ、さらに食中毒予防の効果もあります。
サンショウの粉末は空気に触れると風味を損なうので、食べる直前に使用します。
ミックススパイスのひとつにするのもおススメです。
果皮粉末は1日5~8gを煎じて飲用します。
胃出血や胃潰瘍のある患者には用いないこと。