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パイナップル
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パイナップルは熱帯アメリカが原産で、「新大陸からの贈り物」
といわれるほど、世界各地に広まったフルーツです。
昔は缶詰が多かったのですが、しだいにフィリピンや台湾産の安くて新鮮なものが多く出回るようになりました。
強い甘みとほどよい酸味、それにあのトロピカルフルーツにつきものの、豊かな芳香が魅力です。
とくに旬はありませんが、入荷量が増えるのは春先から初夏にかけてです。
上部に少し青みの残っているものが手ごろでしょう。
青みがなくなったものは熟しすぎていて、味が落ちることがあるので注意しましょう。
パイナップルを栄養的に見ると、圧倒的に糖分が多いことがわかります。
糖分の主体はショ糖で、そのほかにブドウ糖、果糖を含んでいます。
一方酸味のほうの主役はクエン酸で、そのほかにリンゴ酸、酒石酸などを含有しています。
ビタミンはA、B1、B2、C、Gを豊富に含み、タンパク質分解酵素ブロメニンを持っているのが特徴です。
ポークソテーの上に、輪切りのパイナップルが添えられて出てくることがあります。
また、中華料理の酢豚でも、パイナップルをいっしょに炒めたりします。
これは豚肉とパイナップルの甘酸っぱさがよくあうということもありますが、それと同時に、分解酵素のブロメリンで肉の消化を助けようという、合理的な方法なのです。
また、このブロメリンは、腸内の腐敗産物を分解するので、下痢や消化不良、ガス発生、悪臭大便などの消火器障害の改善効果があります。
ただし、加熱しすぎると、せっかくの分解酵素の働きが失われてしまいます。
ソテーなどでも、肉といっしょにじっくり炒めるのではなく、最後にサッと温める程度にするのがコツです。
酸味のある食品は、食欲増進の作用を持つものが多いのですが、パイナップルのクエン酸にもその効果があります。
夏バテで食欲不振のときなど、パイナップルを食べると食欲が出てきます。
昔、パイナップルでダイエットする方法が、世界的なブームになったことがありました。
1日2食、ラムを網焼きにしたもの2切れと、厚切りのパイナップル2切れを食べ、あとは水を1~2ℓ飲むというものです。
わずか3日で効き目が現れてくるという、スピードダイエットです。
効果のほどはわかりませんが、パイナップルとラムという、ちょっと洒落た組み合わせが、若い女性に好まれたのでしょう。
ただし潰瘍のある人は、生のパイナップルをあまり多く食べるのは、控えたほうがいいでしょう。缶詰なら大丈夫です。