金柑(きんかん)

  • 別名:金橘(きんきつ)
  • 薬効:咳 痰 食欲不振 消化促進 喉の痛み  

キンカンはヒメタチバナともいい、夏から秋にかけて白い花を咲かせ、晩秋、丸い小さな実をつけます。

金柑(きんかん)

果実は強い酸味があり、皮にはさわやかな香りと甘味があって、丸ごと生食します。
実よりむしろ皮のほうに栄養があるため、この食べ方がいちばん良いでしょう。

生のままでは、酸っぱくていやだという人には、甘く煮るのもお勧めです。

このキンカンの甘露煮は、ちょっとしたおやつやお茶うけによく、また、料理のつけあわせにしても味を引き立ててくれます。

この砂糖煮は、のどの妙薬としても力を発揮してくれます。

キンカンの旬は12月頃です。
良品の見分け方は、皮に傷がなく、全体的にふっくら丸みを帯びたもので、黄色にだいだいがさしている程度の色であることが、基準になります。



きんかんの栄養素と効能効果

栄養面でもキンカンは非常にすぐれた柑橘類といえます。
とくに皮の部分には、ビタミンCカルシウムが豊富です。
実の部分にもビタミンA(カロチン)B1、B2、C、カルシウムカリウムナイアシンなどが含まれています。

昔からその薬効が言い伝えられてきただけあって、さすがに栄養満点といった感じです。

風邪による咳、痰、のどの痛みには、砂糖煮を数個食べると良いでしょう。
実だけでなく煮汁を温めて飲むのも良いでしょう。
実に熱いお湯を注ぎ、お茶がわりに1日に数度飲んでも効果が期待できます。

ビタミンAとCは、共に粘膜を強くする作用がありますので、風邪で荒れたのどを治すにはうってつけです。
もちろん、粘膜の抵抗力を高めますので、風邪の症状がなくても常食していれば、風邪の予防になります。

また、実ではなく葉を煎じてその汁を飲んでも同様な効果が得られます。

砂糖煮は、健胃薬としてもその効力を発揮します。
あの芳香とほろ苦みが胃を刺激して、消化機能を高め、食欲を増進してくれます。

また、きんかんを煎じた汁を飲ませると、子供のはしかによく効くといわれています。



きんかんの砂糖煮の作り方

  1. きんかんをきれいに洗い、包丁で皮に縦の切れ目を入れる。
  2. 鍋にたっぷりの水ときんかんを入れて火にかけ、沸騰したら煮汁を捨てる。これは苦みを取るためで、苦みの好きな人、あるいは苦みのないきんかんを使用した場合は、必要ありません。
  3. あらためて鍋にきんかんとひたひたの水、氷砂糖(白砂糖でも可)を入れて火にかけ、艶が出るまで煮つめる。
    砂糖は、きんかんの重量の1.5~2倍程度を目安とする。

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