ブラックコホシュ

英名black cohosh
科名キンポウゲ科
別名黒い蛇の根、南京虫草、アメリカンインディアの女の根
原産地北米
使用部根茎

ブラックコホシュは、北米先住民族が長年、鎮痛や不妊など女性特有の疾患に使用してきたハーブです。
1950年代末期以降、更年期障害に対する治療として使用されています。
属名のCimicifuga は、ラテン語でcimex(虫)とfugere(逃げる)を語源としています。
強い臭みがあり、その名の通り虫よけにも利用されています。

期待されるブラックコホシュの効果効能

  • 更年期障害の改善
  • 月経異常、月経前症候群の改善
  • 関節痛の改善

近年の知見ではブラックコホシュの働きは中枢神経系のセロトニンあるいはドーパミンレセプラターに対する作用であると考えれれています。


ブラックコホシュの有効成分・栄養素

  • トリテルペン配糖体、テルペン、イソフラボン、クロモン誘導体、有機酸など


更年期症状に対する試験

・試験デザイン:2服のブラックコホシュ製剤を用いたオープン試験

  • 対象:年齢43~60歳の更年期女性
  • 人数:152人
  • 投与量:ブラックコホシュ40mgあるいは127mg/日を6ヵ月間
  • 結果:両グループともに90%以上の被験者で、クッパーマン指数で評価した更年期症状の改善が認められました。

関節炎に対する試験

・試験デザイン:プラセボ(偽薬)と、ヤナギ樹皮およびブラックコホシュを含む製剤のランダム化比較試験

  • 対象:慢性関節炎に悩む男女
  • 人数:82人
  • 投与量:ブラックコホシュ70mgとヤナギ樹脂エキスなどを含む複合製剤/日を2ヵ月間
  • 結果:痛みについてのみプラセボ群と比べて有意に改善しました。


ブラックコホシュの摂取量

  • 27-deoxyacteinとして1日当たり2mg


ブラックコホシュに関する注意点・安全性

 ホルモン依存性がんや子宮摘出などの既往歴のある場合、有用性が見られた報告もあるが、動物試験でも一致した結果が出ていないこと、内分泌に与える影響を長期に評価した試験結果がないことから、使用する場合は医師の管理下で行う必要があるでしょう。

また、まれに胃腸の不調を引き起こす場合があり、過剰摂取はめまい、頭痛、吐き気、嘔吐などを起こす場合もあります。
妊娠・授乳中、子供の摂取は避けましょう。


ブラックコホシュと薬との相互作用

基礎実験にて、化学療法剤であるドキソルビシンやドセタキセルの細胞毒性を増加することが確認されています。
臨床での報告はないが、念のため注意しましょう。

作用機序に、女性ホルモンに作用する薬剤との併用は注意しましょう。


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