アロエ

英名Aloes
科名ユリ科
別名キダチアロエアロエベラ、キュラソーアロエ、ケープアロエ
原産地アフリカ
使用部葉、葉の液汁

約四千年前の医学、薬学の古文書に、当時アロエは苦味健胃薬として用いられたと記載されています。
また、ローマ時代の「ディオスコリデスの薬物誌」第3巻にもアロエの記述があります。
日本では、鎌倉時代の書物で紹介されており、江戸時代の海原益軒や小野蘭山などの書物に「盧薈」という名前で漢方薬として利用されていたと記載されています。

アロエ

期待されるアロエの効果効能

  • 便秘症状の改善、健胃作用

アロエの有効成分・栄養素

  • ヒドロキシアントラセン誘導体アロイン(バルバロイン)、クロモン

便秘に対するアロエの作用効果

  • ヒドロキシアントラセン誘導体アロイン(バルバロイン)などは、腸内で電解質吸収を妨げ、浸透圧により大腸内における水分含量を増加させ、蠕動運動を起こし緩下作用を起こします。
    キダチアロエやケープアロエにアロインが多く含有されています。

便秘に対する試験

1.試験デザイン:被験者全員を投与群としたオープンラベル試験

  • 対象:近畿大学医学部付属病院東洋医学科に諸疾患で受信した便秘症状有する患者
  • 人数:90人
  • 投与量:アロエ錠6錠/日を14日間
    6錠中局方アロエ(ケープアロエ液汁末)60㎎、アロエ葉末540㎎、バルバロインとして約21㎎含有。
  • 結果:結果服用14日後の効果判定結果、有効群は90例中62例(69%)であった。

2試験デザイン:オープンラベル試験

  • 対象:薬学性の男女(体重55~90㎏)
  • 人数:10人×8グループ
  • 投与量:アロイン500㎎×4グループ、ケープアロエ(アロイン12%含有)粉末500㎎×2グループ、ケープアロエ(アロイン19%含有)粉末㎎×2グループに、各投与量に対する下剤効果を評価。
  • 結果:被験者にアロイン含有カプセルを投与し下剤的効果の有効性を調べたところ、下剤としての50%の有効量(DD50)はアロイン量で0.55㎎/㎏であり、体重68㎏の場合37.4㎎となった。

消化性潰瘍に対するアロエの作用効果

  • ペプシンを可逆的に不活性化します。
    また、胃壁細胞からの塩酸の放出を阻止し、胃を保護する効果があります。

消化性潰瘍に対する試験

1.試験デザイン:オープンラベル臨床試験

  • 対象:十二指腸潰瘍患者
  • 人数:12人
  • 投与量:アロエベラゲル スプーン1杯/日を1年間
  • 結果:摂取開始1年後、すべての患者で完全な治療が確認され、再発もなかった。

アロエの摂取量

  • ヒドロキシアントラセン誘導体として1日20~30mg相当。

アロエに関する注意点・安全性

  • アロエの成分バルバロインを摂取すると体内にプロスタグランジンE2(PGE2)が分泌されます。
    PGE2は腸管収縮の他に子宮収縮、血管拡張、血圧降下、気管支拡張などの作用があるので、妊娠時、腎疾患、痔疾患などの場合は摂取しないようにしましょう。
    また、授乳中もアロエ中の成分の乳汁移行性が確認されているので摂取は控えましょう。
    子供も胃痛や痙攣、下痢などが観察されることがあるので、控えたほうが良いでしょう。
  • アロエやセンナのようなアントラセン系下剤の長期・大量摂取により大腸黒皮症(大腸壁が黒くなる症状で、使用をやめれば治る)が生じる場合があると報告されています。

アロエと薬との相互作用

  • 作用機序的に相互作用の可能性は示唆されますが、一般的な使用の範囲内ならば問題ないでしょう。

その他アロエの特記事項

・各アロエの違い

  • 民間薬のアロエ・・・キダチアロエ(食用使用可)
  • 日本薬局方規定のアロエ・・・ケープアロエ(液汁は医薬品扱い)
  • アメリカ渡来のアロエ・・・アロエベラ、キュラソーアロエ(液汁は医薬品扱い)

・成分的相違

  • キダチアロエ、ケープアロエ・・・健胃、緩下作用を示すアロイン含有量が多い(アロインはもっぱら医薬品として使用される成分)。
  • アロエベラ・・皮を除いた多糖体のゼリー質部が豊富です。皮部にはヒドロキシアントラセン誘導体のアロインも含んでいます。

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