いちじく

  • 薬効:便秘 手足のあれ 痔 ウオノメ・タコ 水虫  

ギリシャ神話や旧聖書にも登場するいちじくは、栽培果樹としては世界最古の歴史を持ちます。

イチジク

日本には寛永年間に長崎から入り、各地で栽培されるようになりました。
庭木としても広く植えられていて、赤紫色に色づいた実がなってる光景を見かけます。

寒さに弱いため、静岡、和歌山、愛知などが主産地になっています。
味は甘く、独特のほんのりした香りを持っています。
生で食べるのが一般的ですが、ジャムやコンポートにしても美味しく、缶詰やドライフルーツにした加工品も売られています。

旬は夏から秋です。
ふっくらと熟れて、赤く色づきの良いものを選ぶのがコツです。
やわらかく傷つきやすいので、傷みがないかよく調べてから買いましょう。

いちじくの栄養素と効能効果

いちじくは、多量の糖分と少量のビタミンB1、B2、微量のビタミンCカルシウム、鉄分、灰分などを含んでいます。

便秘には繊維質のものを多く摂るのがいいといわれますが、いちじくには、ペクチンという食物繊維が多量に含まれています。
このため、腸の運動を活発にし、便通を整える効果があります。

便秘のときは、日に2,3個食べるようにすると良いでしょう。
ただし、子供の場合は、食べ過ぎると下痢をしますので注意が必要です。

いちじくは、肉や魚料理の後にデザートとして食べると、胃の負担を軽くします。
肉料理や油っこい料理を食べた後のいちじくは、さっぱりした風味と口当たりの良さで、捨てがたい魅力があります。

いちじくは、昔から痔にもよく効くといわれてきました。
食べて便通を整えることで、痔の治りを早くすることもそうですが、直接汁を塗ると、さらに効果的です。

葉の根元を折ると、そこから白い乳のような液が出てきます。
この粘り気のある液体には、皮膚や筋肉をやわらげたり、なめらかにしたりする効果があります。

塗布薬として、痔の患部に直接この汁を塗ると、傷の治りがはやくなります。

また、手足の荒れやひじ、かかとが角質化して硬くなったときは、いちじくの汁を塗ると良いでしょう。
1週間もすると、ガサガサ、ゴワゴワしていた皮膚に潤いが出てくるのがわかります。
いちじくの汁は、実をしぼり器でつぶして取ります。

ウオノメやタコは、1日に数回、2週間ほど塗り続けてください。
ウオノメなら芯が自然に落ちますし、タコもやわらかくなって治ります。

水虫にも、この汁を日に数回塗ることで症状が改善されます。
ただし、かなり根気よく続けないと、完治させるのはなかなか難しいでしょう。


 

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