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夏みかん
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夏みかんは、夏に実がなるものと思っている人もいますが、実は秋になります。
それを収穫せずに放置して、酸味が抜けるのを待ち、翌年温かくなってから収穫します。
市場に出回るのが春から夏にかけてなので、夏みかんの呼び名が付けられたのです。
旬は3~5月です。
ただし、5月も下旬になると、実の水分が少なくなってパサついた感じになるので、注意する必要があります。
選ぶときのポイントは、手に持ってずしりと重みがあること、ヘタがしっかりついていて、皮に傷がついていないことなどです。
そのまま皮をむいて食べるのがふつうですが、サラダの材料にしたり、ヨーグルトに入れたりしても美味しくいただけます。
酸っぱさのもとになっているのは、みかんと同じクエン酸ですが、みかんに比べて倍も含有されています。
ビタミンCも豊富に含まれていて、1日1個食べれば、ほぼ1日に必要な量を摂ることができます。
皮の部分には果糖のほかに、甘い香りのする香橙油やリモネンといった成分の精油を含んでいます。
ペクチンも多いので、皮は捨てずにマーマレードにして食べると良いでしょう。
夏みかんは疲労回復にすぐれた効果を発揮します。
クエン酸は体内の乳酸を分解し、エネルギーを作るときに必要な成分なのです。
成人の場合、1日およそ5gのクエン酸をとることで、疲労防止の効果があるといわれます。
夏みかんなら、中くらいのもの1~2個で、ほぼ必要量のクエン酸をまかなえます。
さらに、含まれているビタミンB1が、体内の糖分を分解する働きをするので、クエン酸との相乗効果で、さらに疲労回復を促進してくれます。
またクエン酸には、動脈硬化を予防する働きが顕著です。
動脈硬化というのは血液中に乳酸が多くなり、血管壁のたんぱくと結合してかたくなることからおこるといわれていますが、クエン酸はこの乳酸を溶かし、酸性の血液をアルカリ性に中和する作用があります。
体力の消耗をおさえ、のどの乾きを癒してくれるのですから、スポーツや登山などの後に最適な果物といって良いでしょう。
皮をお風呂に入れると、神経痛やリュウマチ、腰痛などに効果のある薬湯として利用できます。
皮を陰干しにしたもの数個分をさらしなどで作った袋に入れ、ぬるめに沸かした湯に浮かせます。
これにゆっくりつかることで、神経の痛みが和らぎ、筋肉のこりもほぐれます。
ついでに夏みかんの皮で皮膚をマッサージすると、肌がなめらかになり、美容効果も期待できます。