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桃は、中国の原産で、日本でも『古事記』や『日本書記』にでてくるように、古くから自生していました。
食物繊維が豊富な桃は老廃物を排出し、病気を防ぐ「仙人の果実」と呼ばれています。
日本で栽培が始まったのは江戸時代のことですが、現在の桃とちがって、実がかたく小さな種類のものでした。
現在のようなりっぱな桃は、19世紀になって中国の天津や上海、あるいはフランスから入ってきたものです。
桃は雨が少なく水はけのよい土地や気候に適しているため、日本では主に、山梨、長野、福島、山形の各県で栽培されています。
岡山は生産量は多くありませんが、品質の高いおいしい桃(白桃)で有名です。
生食するほかにも、ネクター、ジュース、缶詰、ジャムなどにも加工されています。
出回るのは6~9月ですが、旬は7~8月です。
おいしい桃は、表面の色の赤い部分が濃く(白桃は除く)、全体にうぶ毛が密生しているものが良いでしょう。
形としては、ふっくらと丸みがあって、みずみずしい感じのもの。いくぶん大きめのもののほうが昧は良いようです。
ひじょうに傷つきやすく痛みやすい果物ですので、取扱いには十分慎重に行ってください。
表面をぶつけたり、指で押したりするとすぐにそこから痛みが広がります。
生の桃は、保存にも適しませんので、買ったらすぐに食べるのがいちばんです。
桃は中国では、昔から「長生の実」「不老長寿の仙果」といわれてきました。
邪気をはらう魔除けの力があるともよくいわれています。
じつは桃の果肉には、鎮痛剤や鎮静剤の働きがあり、また微量ながら葉や花には青酸化合物が含まれているのです。
神秘的な果物と見なされてきたのも、あるいはそんなことが原因しているのかもしれません。
ペクチンが多く含まれている果実なので、常食すれば便秘の解消に効果的です。
朝晩1個ずつ食べるか、ジュースにして飲むと良いでしょう。
魚を食べて食あたりをおこしたときの解毒に効果があると、昔からいわれています。
どくにマグロにあたったときの中毒症状の緩和にはすみやかな効果を発揮します。
ただし、果肉より皮の部分に薬効が含まれています。
桃の葉は、入浴剤としてお風呂に浮かべると、子供のあせもやただれ、おできを治すのに効果があります。
生の葉か、陰干しにした葉を細かくきざみ、布袋に入れて湯舟に漬けます。乾燥肌の人のモイスチャーライザーとして、桃の果肉を利用してみるのも良いでしょう。
果肉をすりつぶし、卵黄とまぜ合わせたものを顔や首に塗ります。
しばらくして乾いたら、ぬるま湯で洗い流してください。肌がなめらかになる効果がわかります。
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