ウスバトリカブト

ウスバトリカブトは、キンポウゲ科トリカブト属に属する植物です。以下にその特徴を説明します。

ウスバトリカブトの特徴

分布

北海道の鉱山帯に自生する多年草です。

外観

花: 花は夏から秋に青紫色のカブト状の左右相称花を散房状につけ、大きくて美し。

葉: 葉は3つに大きく裂け、左右の小葉も深く裂けて葉柄の長さは約3㎝です。
葉の両面の脈上と葉柄にも曲がった毛が生えています。

花柄:花柄は長さ2~4㎝で、曲がった短毛が生え、雄しべにも毛が生えています。

茎: 茎は円柱形で1m以上に伸び、ほとんど枝分かれしないで直立する。
茎の下部以外には曲がった毛が生えています。

根:根は倒円錐状か、かぶら状で、外面暗褐色です。
秋に掘ってみると、この根のかたわらに、小さい子供の根がついています。
そのままにしておくと、いつの間にか親根は腐って消え去り、春先に小さい子根が勢いよく地上に新芽を伸ばします。

ウスバトリカブト

ウスバトリカブトの毒性・有毒部分

ウスバリカブトは非常に強い毒を持つ植物で、全草にアルカロイド類の毒素を含んでいます。特に、根には強い毒成分があり、アルカロイドのアコニチン、メサコニチン、イサコニチンなどを含み、中毒症状は強い痙攣をおこし死亡に至ることもあります。

生薬としてのウスバトリカブト

ウスバトリカブトは、その強力な毒性にも関わらず、適切な処理を施すことで生薬(伝統医学で使用される薬用植物)として利用されてきました。ただし、その使用には極めて高度な知識と注意が必要であり、専門家による指導のもとでなければ使用すべきではありません。

生薬としての使用

漢方処方に用いられる「附子」「烏頭」という生薬は、これと同類の中国産の根を原料として調製したもので、強心、鎮痙、鎮痛の薬効があります。

ただし、これは専門医が用いるもので、一般には毒性が強くて危険であるから使用すべきではありません。

ウスバトリカブトと類似の植物

エゾトリカブトのほか、テリハブシ、セイヤブシ、カラフトブシ、ダイセツトリカブト、シレトコブシ、ヒダカトリカブトなどがあります。