食物繊維
食物繊維とは、栄養学的に見て炭水化物に属しますが、植物性食品に含まれる繊維類を消化する酵素が人の消化液の中には存在しません。
食物の中にはこのような消化されにくい成分が他にもあり、それらを総称して食物繊維と言っています。
食物繊維の種類
食物繊維には水溶性のものと不溶性(難溶性)のものとがあります。
不溶性(難溶性)食物繊維
セルロース(穀物、野菜、果実)
ヘミセルロース(穀物、野菜)
リグニン(穀物、野菜、果実)
キチン(エビ、カニなど)
水溶性食物繊維
ペクチン(果実)
植物ガム(コンニャクマンナン)
アルギン酸(昆布、わかめなど)
食物繊維の効果効能・働き
排便を促進する。
食物繊維はスポンジのように水分を吸って膨れるため、小腸は先へ先へと送ろうとします。
コレステロールを吸着、排泄する
腸内には食物に含まれるコレステロールだけでなく、肝臓から分泌されるコレステロールも存在します。
これが腸管から吸収されると、血中コレステロールが増加してしまいます。
食物繊維はこれらのコレステロールを吸着して排泄し、コレステロールの取り過ぎを抑えます。
腸内の善玉菌を増やす
食物繊維は腸内の善玉菌の餌となるので、善玉菌を繁殖させ人体の免疫力を増加させるのに役立ちます。
ダイエット効果
食物繊維は水分を含んで大きくなるので満腹感をもたらすわりに、ほとんどエネルギー源とならないので、ダイエットに向きます。
糖尿病の予防
食物繊維が多いと食物が胃の中で長くとどまり、腸でのデンプンの消化吸収を遅らせることになります。
そのため、インシュリンの分泌が少なくてすみ、糖尿病の予防になります。
食物繊維の含有量が多い食品
食物繊維の多い食品(100g中)
寒 天 80.9g
干しひじき 43.3g
干し椎茸 42.5g
かんぴょう 30.1g
切り干し大根 20.3g
ご ま 13.2g
枝 豆 10.1g
ご ぼ う 8.5g
納 豆 6.7g
ほうれん草 3.5g
にんじん 2.4g
こんにゃく 2.2g
さつまいも 1.7g
バナナ 1.7g
食物繊維の含有率が高い食品に、寒天(84%)、きくらげ(74.2%)、ひじき(54.9%)といった、半分以上が食物繊維というものもあります。
また、青のり(38%)、わかめ(37.9)、いんげん豆(19.8%)なども含有率が高い食品と言えます。
また、食物繊維の多い食品ですが、100g中の値なので寒天、ごまなどはかなりの量になるため、これだけで取ろうとせず、色々な食品を取ることによって、1日の必要量と言われる20~30gを取るように心がけましょう。
食物繊維を過剰に取ると
便秘解消には優れている食物繊維ですが、異常に多く取り過ぎるとそれが原因で下痢を起こすと体内に必要な無機質を失うことになるので、無機質の欠乏症を引き起こしやすくなります。