桑の葉

英名Mulberry
科名クワ科
別名-
原産地日本
使用部

桑の葉

桑の葉は、日本各地で自生している雌雄異株の落葉樹です。
蚕の餌として昔から利用され、お茶として飲む習慣もありました。
漢方では葉は桑葉と呼ばれ、駆風薬として用いられます。
桑の葉の薬効は、後漢時代の神農本草経の中品に収蔵され、唐の時代の薬効の食療本草には糖尿病に対する効果が栄西禅師によって紹介され、室町時代に「茶桑経」として親しまれました。
江戸時代に「不老長寿の妙薬」とされ、その後品種改良が進みました。
 

期待される桑の葉の効果効能

  • 血糖値上昇抑制作用

有効性成分である1-デオキシノジリマイシンには、α―グルコシダーゼ(糖分解酵素)阻害活性があります。
1-デオキシノジリマイシンはブドウ糖と構造が似ているため、ブドウ糖の代わりに糖分解酵素と結合して、ブドウ糖の結合を阻害します。
なお、この結合は緩やかなもので、すべての酵素を阻害するわけではありません。
小腸内で単糖類にならなかった二糖類は、吸収されることなく小腸を通過すると考えられています。
これらの結果、血糖値の上昇抑制作用に効果を発揮するといわれています。

血糖値の改善対策としてはギムネマギムネマ酸)やバナバ(コロソリン酸)などの成分と一緒に服用することで、相乗効果を示すと考えられています。ギムネマは小腸上皮細胞の糖輸送担体を阻害して血糖値上昇を抑制して働き、バナバは細胞膜状の糖輸送担体のブドウ糖の取り込みを促進してインスリン様作用を示します。
これらの成分と一緒に使用することで相乗効果を期待することができます。


桑の葉の有効成分・栄養素

  • 有効性成分である1-デオキシノジリマイシン(DNJ)は、桑の葉に0.1%程度含まれる成分で、ブドウ糖の中の一つの酸素が窒素に置き換わった構造をもっています。
    桑の葉に最も多く含まれ、桑の葉以外の植物にはごくわずかしか含まれていません。


血糖値上昇抑制作用に対する試験

1.試験デザイン:プラセボを対照とした二重盲検試験

  • 対象:HbA1c高値(平均7.6)の糖尿病患者
  • 人数:9人
  • 投与量:桑の葉1.8g/回を食前または食後に1日3回、2~4ヵ月間連続摂取
  • 結果:HbA1cが改善し、6.3と正常値に近づきました。



2.試験デザイン:プラセボを対照とした一重盲検試験

  • 対象:空腹時血糖値102~147mg/d1の人
  • 人数:10人
  • 投与量:桑の葉1.8g/回を食前または食後に1日3回、4週間連続摂取。2~4週間後プラセボを4週間摂取
  • 結果:4週間摂取後の空腹時血糖値変化率が有意に低下しました。



3.試験デザイン:経口血糖降下薬グリベンクラミド摂取群を対照とした無作為化比較試験

  • 対象:Ⅱ型糖尿病男性患者(40~70歳)
  • 人数:10人
  • 投与量:桑の葉3g/日あるいはグリベンクラミド5mg/日を30日間連続摂取
  • 結果:桑の葉摂取群ではグリベンクラミド摂取群に比べ、空腹時血糖値・血清コレステロール・中性脂肪・LDLコレステロール・VLDLコレステロール・遊離脂肪酸が有意に低下しました。
    また、血漿・赤血球膜・尿中脂質の過酸化物についても有意な低下が認められました。


桑の葉の摂取量

桑の葉として毎食後1.8g


桑の葉に関する注意点・安全性

妊婦・授乳中の食経験に関する報告はありません。


桑の葉と薬との相互作用

桑の葉の血糖値上昇抑制作用(α-グルコシターゼ阻害)により、糖尿病治療薬の効果を高め、治療薬の必要量を減少させることも期待ができますが、低血糖には注意する必要があります。


その他桑の葉の特記事項

1-デオキシノジリマイシンは、2001年の食薬区分改正で医薬品として使用される成分に分類はされていますが、天然物(お茶の葉などの自然のものをそのまま使用しているもの)であれば含有されていても問題はありません。

血糖値上昇抑制以外に、コレステロールと中性脂肪の改善、便秘改善、肥満抑制、がん予防、血圧改善、血液流動性などの研究が進められています。


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